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日常と言う名の特別な日。 3(聖夜side)にしおりをはさみました!
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日常と言う名の特別な日。 3(聖夜side)
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体育館全体が暗くなり、プロジェクターを通して壇上に大きなスクリーンが浮かび上がる。
コレは機械関係が得意だと言う2年生の会計女子が作ってくれたものだ。なかなかの出来栄えだと本人も胸を張っていた。
ピンクと白と花柄が多いのは製作者の好みが大きく反映された結果だろう。
スクリーンが話に合わせて動いてくれる。
全体で話さなくてはいけないことは少ない。日程は同じだけれど集合と解散の時間はそれぞれ行く場所が違うので異なってくる。
皆が聞きたいのはそんなことではないのだ。
これまでシークレットとされていた事柄。それは、遠足の行き先だ。毎年違う行き先は生徒会が話し合って決めている。
と言っても、大体は毎年同じようなところに行く。
そして今年も発足1ヶ月もたっていない出来立てホヤホヤの生徒会で話し合った結果をここで発表するのだ。
そりゃあ緊張する。なんてったって、自分達の考えが良いと取られるのか、それとも最悪だと取られるのか、それをリアルタイムで観なくてはいけないからだ。
それでも緊張を表に出さずになんとかこなしていき、とうとう発表の時。今まで静かに聞いていた生徒たちも"行き先発表!"と表示されたのを見れば歓声の声が上がる。
『さて、皆さん楽しみにしていたでしょう今年の遠足の行き先を発表したいと思います。まず、1年生……水族館。続いて2年生、キャンプ。3年生は遊園地となります』
水族館と遊園地はまぁ妥当だろう。反応も妥当なものだった。
問題はキャンプ。中央に座る2年生の表情もキョトンとしたものだ。だがまだ今年は良い方だと思う。
去年の2年生は元生徒会長のネジの飛んだ発想によって温泉旅行だったらしい。
去年が1泊2日だったらしいので今年も1泊2日にしたのだけれど、温泉旅行に行って部屋で雑魚寝しているくらいならキャンプで皆んなで協力しあって友情を深めたり、キャンプの知識を得る方が良いと考えたのだけれど、やはりここはイチゴ狩りや演劇鑑賞にしておいた方が無難だっただろうか。
だがもう決まってしまったこと、今更変えるなんてことはない。
ショートホームルーム終わりのチャイムが鳴り、普段なら今は移動やトイレの時間だ。
1限目は3学年それぞれ別れて今度は教師から遠足についての話を聞くことになるだろう。
このまま体育館で待機の3年生。1年生は武道場に移動し、2年生はキャンプのグループ決めのために各教室だ。
司会が若い男の教師に変わり、それぞれの移動場所を知らされると生徒たちはゾロゾロと動き始める。
3年生が引き続き使うのでプロジェクター等はそのままに、自分も生徒の波に乗って教室に向かう。
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