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「"迷惑だから二度と来るな"にケーキ100人分。」
「いい加減止めなさいユーリ。」
「…………。お世話に…なりました」
翌朝、俺が会いに行く事を伝えた瞬間からユーリの言葉の暴力が始まった。
"バカ?"だの"空気読めないの?"だの"相手に迷惑だよ"だの、言われすぎて何度も心が折れそうになる。
「本当に行くの?」
「あぁ、もう決めたんだ。色々ありがとう、ユーリ。それにお姉さんも」
「いいのよ。あなたみたいな美味しそ…じゃなくて、可愛い男の子ならいつでも大歓迎よ。またいらっしゃい」
「…………」
次来た時はどうなるんだ…俺。
「スバル」
「ん?なに───ッ!?」
ユーリに袖を引かれて振り向くと唇に柔らかい感触が当たり、ユーリの顔が直視できない距離にあった。
「俺達は必ずまた出逢う。その時は逃がしてやらないから」
「逃がす…??つうか何でキスするんだよっ!?しかも外だぞ、ここ!!」
「俺達はそういうの気にしないから平気」
「俺は気にするの!……とにかく元気でな」
「うん。スバルも」
見送ってくれた二人に背を向けて歩き出した俺は次の街へのルートを調べようとカバンから地図を出しかけた時、遠くからユーリの叫ぶ声が耳を掠める。
「北西に向かいなよー!そっちの方角にいるはずだからー!」
「っ!ありがとなー!」
何だかんだ言って良い奴だ。俺は二人に改めて手を振り、今度こそ前を向いて歩き出した。
「…………行っちゃったわね」
「……うん」
「ねぇユーリ。あなた何で本当の事を話してやらなかったの?気付いたんでしょ、あのペンダントが深紅のブラッドの物だって」
「…………二つの御霊を持つ人間。そんな面白いものを他人に譲る気なんてないし、第一嘘は言ってない。」
「全く…。我が弟ながら性格悪いわね」
「そりゃどうも。」
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「…………あれ?地図だとこの辺のはずなのに…」
ユーリ達の住む街を出てからかれこれ6時間くらい経つ。
地図の通りに行けばとっくに次の街に着いてる予定だが……。
「うーん……この地図かなり古いからなぁ」
どうやら道に迷ったらしい。
だけど幸いまだ陽が高いお陰で焦りはなく、俺は落ち着いて方位磁石を取り出し北西に向かって足を進めた。
その間、考えるのはブラッドの事ばかり。
「大切な人……か。」
ブラッドの側にいるらしい存在が気になって仕方ない。
やっぱ恋人…なのかな。いや、もしかしたらお嫁さんって可能性も……。
「ぁあ~ダメだ!こんな気持ちじゃ会うなんて…………あれ?どこだ、ここ?」
考える事に没頭していた俺は気が付くとどこかの街の通りに立っていた。
いや、厳密に言うと"街だった"所だ。
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