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9話 2にしおりをはさみました!
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9話 2
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「次の時間、体育祭の種目選ぶからある程度決めといて」
もうすぐ昼休みが終わる、という時にクラスの委員長が次々に黒板に何かを書き出した。
障害物走、借り物競争、100メートル走といったお馴染みの種目だ。
「流は何出んの?」
横の流に聞いてみると携帯を弄ったまま「100メートル」とだけ答えた。
(あれ、ちゃんと出るんだ……)
てっきりサボるものだと思っていただけに少し拍子抜けしてしまった。
じーっと顔を見ていたら流が苛立った口調をセットにして睨んだ。
「……なんだよ」
「いや、サボらないんだなって思ってさ」
「俺だって出たくねーけど、慶一さんが見てる前ならサボれなーだろ」
「あーなるほど」
納得の理由だ。
「オレはどうしようかな……」
「お前も100メートルに出ろよ」
「え、なんで?二人三脚とかもあるのに」
面白そうなのに。
千尋がそう零すと何も言わず、ただ睨まれた。
(な……なんだよ)
意味が分からず、聞いても流は答えてはくれない。
膨れっ面で仕方なく言われたままに100メートルを選択すると何故かクラスがざわついた。
「なんだよ斉藤、俺お前と二人三脚出たかったのに」
「それなら俺もー」
なんて声が至る所から聞こえ、そういえばここって男子校だったなと思い出し、小さな声で流に「ありがとう」と言えば、ほんのり耳が赤くなっていた。
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