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5にしおりをはさみました!
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5
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母が僕を殺そうとしたのはいつだっただろう…
あまりにも幼かったので"小さい頃"としか覚えていないけれど…
あの時おばあちゃんが止めてくれなかったら、僕はこの世に居なかった
いっそ、居なければ良かった…
おばあちゃんは僕が殺されかけた1年後に亡くなった…
4才上の兄のアゲハは、父が幼い頃に似ているとよくおばあちゃんが言っていた
そのせいか、母は兄に優しい
僕はいつだって母の目に怯え、部屋の隅でうずくまっている事しか出来なかった
「…どうした?」
ふいにハイジに声をかけられ、僕はハッと我に返った
気付いたらもう明け方で、ハイジの仲間は酒に酔いつぶれて何人か寝ていた
「別に…」
「今すげぇ辛そうな顔してたぞ
…寝たかったらその辺で寝てていいからな」
「…ハイジは?」
「ぁン?!」
驚いたようにハイジは奇妙な声をあげた
「…オレはあんまり寝ないタイプなの」
「……」
「一緒に寝るか?」
「…一人で寝る」
僕は膝を抱えたままこてんっと横に倒れた
「安心しろよ、なっ」
「…?」
「ちゃんと寝ろ」
ハイジは押入から薄い掛け布団を取り出し、僕の上にかけた
「……」
何だろう…この感覚…
胸の奥がちくんと優しく痛む
”大丈夫だから、安心してお休み”
おばあちゃんの声が聞こえたような気がした
ねぇおばあちゃん…
何でお母さんは僕の首を絞めたの?
”………お父さんが交通事故に事故に遭った時に、
出産中で死に目に会えなかったんだよ”
僕のせいなの?
”そうじゃあないよ。これは運命なんだ”
でもお母さんは僕の事、嫌いなんでしょ?
”人の心は弱いものなんだよ
お母さんはお前を見ると、お父さんの事を思い出して辛いの…だから許してやってね”
僕なんか、いなければよかったね…
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