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秘密の初恋にしおりをはさみました!
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秘密の初恋
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同人誌を取り上げられて、今の今まで春日によって音読されていた。
性描写に差し掛かったので泣きながらお願いしたら、なんとか途中でやめてもらえたけど、同人誌は最後まで読まれ、2人は感想を交わしている。
消えたい…
「夕祐さんも有馬先輩も顔とかソックリですし、雰囲気もほぼこんな感じですね」
「ぎゃはははは、有馬先輩真面目だしこのセリフ言いそう、それにむっつりとかあり得そう!」
感心する春日に、ゲラゲラ笑う夜風。
そう…よくできた話だ…。
僕が告白した時の反応や台詞…ソックリ…
まぁ、本物の僕は相手にされなかったけどね…。
ありさは恐ろしく感が鋭くて、大人っぽくてサバサバした性格の子。
僕の悩みも言い当てた…っていうか、腐女の妄想が膨らんで…と言った方が正しいか…。
戀兎と僕の事根掘り葉掘り聞いてきたけど、それに見合うほど沢山のアドバイスをくれたし、知り合いにゲイがいるって引き合わせて、相談の機会を作ってくれた。
つまり、僕と戀兎のことで知らないことはない…と言っていい。
「ぎゃはははは、有馬先輩毎晩激しそー」
「そうですか?夕祐さんの負担考えてセーブしてそうですが…」
「無い無い、俺だったらセーブしないねぇ、『もう無理』とか言う夕祐さん破壊的にそそるし」
「あ、それは破壊的ですね」
日常会話みたいに進む話に思考が着いていかない、頭を抱えて夕祐が絶叫する。
「ぎゃーーーー!!!もうやめてぇ!!!」
涙目の夕祐を2人がしれっと見つめる。ついこないだまでランドセル背負ってたはずの子供たちの会話とは思えず、混乱する
「ってか!!なんでそんなもの読んじゃうの!?ってか!なんで肯定的なの!?ってか!なんで妄想がするの!?なんで僕が受け確なの!?」
パニックに近い夕祐がまくし立てて、春日がサラッと返す
「恋愛は自由ですから」
れ…れ、れ、恋愛って!!そうだけど…僕がホモでもなんとも思わないってこと?!それともBL漫画のこと?!
冷静になれない夕祐に、双子の表情を読み取ることができない
「恋愛自由って!僕の事からかってるだけじゃない!」
「この話マジなの?」
「…っ」
今までゲラゲラ笑ってた夜風が急に普通に聞いてきたから言葉に詰まった
「…友達の妄想」
「ふーん」
嘘ではない、ありさは告白したのを知らない。戀兎と再会してからの話はしてない。
でも、動揺のあまり、何一つごまかせてないのは分かってる。
「…片思いだけは本当」
僕の言葉に、双子は顔を見合わせた。
「有馬先輩…ですか?」
「…うん」
どうして1日に2度も秘密をばらさなければならなくなるのか…自分のドジ具合に呆れる
「その漫画の前半は本当、初恋だとか、いなくなられて自覚したとか、追いかけてきたとか…」
「ふーん、情熱的」
「そうですね」
「もういいでしょ?本返して」
夕祐が右手を差し出す。
本を持ってた春日は、腕組みして左手を口元に添えて考えるそぶりをして、夜風に目配せする。
夜風は視線を受けてニッカリ笑った
「最近、夕祐さん元気なかったじゃないですか…」
「えっ」
「ひな兄さんが心配してました」
「檜山君から何か聞いたの?」
「何も」
「…そっか」
「だから、僕たちで勝手に調べました」
「え!」
「もう少し様子見てもよかったんですけど、マキさんうろついてるみたいだから、黙ってられなくなりました」
マキ先輩!?
「夕祐さん知らねーだろうけど、この学園、そっちの人多いいんだぜ」
夜風の言葉に驚きを隠せない、マキを見かけてから、他にもいるかもとは思ったけど…
マキさんだけじゃないんだ…
沢山って…
「夕祐さん気をつけてくださいよ、夕祐さん可愛いし」
「かわ…」
童顔だから、何度も言われた言葉だけど、今のはちょっと意味が違う気がする…
身の危険があるってこと…?
固まってる夕祐に夜風が囁く
「うん、可愛い」
可愛い2人に言われても、君たちには負けると思うのだが…
なんか…今週はびっくりするような情報量が僕の周りを飛び交ってる気がする…
「からかうみたいなことしてすいませんでした、悩みの原因、僕らにだけ話してくれないみたいだったから」
僕らに…だけ?
このことを知ってるのは、戀兎と、檜山君と、…が…岩龍君…
「何も聞いてねーよ」
夕祐の考えが分かったのか、夜風が口を挟んだ
「探りを入れたけど、あいつは何も言ってない。ただ、話すようになった切っ掛けが、不良に絡まれたのから助けてもらったって、そんでそこにマキさん絡んでるってーのだけ」
「そ…なんだ」
「夕祐さん」
春日がかがんで夕祐と視線を合わせる。
「自分の秘密だけ暴かれたら嫌ですよね」
「え…」
「だから、僕らの秘密を一つ教えます」
爽やかに笑った春日
なんだか聞くのが怖い
「いや…いいよ」
「遠慮しないでください、夕祐さんなら悪用しないでしょ?」
「し、しないけど…」
「…僕らの、初恋相手を教えてあげます」
「ちょっ、ちょっとまって!そんなの聞いたって分からない…」
「大丈夫!夕祐さんがよく知ってる奴だよ」
「そうですね」
良くって…知り合いでも困るよ!?
ってか僕この学園入ったばかりで知り合い少な…
その時、電流が走った
夕祐は目を見開く。
…ま、まさか…
「…僕らの、初恋相手は…ひな兄さんです」
極上の笑顔に企みを感じる
「……」
「そんな顔しないでください、今は違いますから」
「そうそう、今はぜーんぜん違うよ☆」
そう言われても…声が出ない
「これからは、いっぱい恋愛トークしましょうね♪」
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