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病院3にしおりをはさみました!
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病院3
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目を開く前に鼻をかすめた消毒の匂いにあぁまた戻ってきたんだ…と思った。
遥「…喉が渇いた」
日比谷「起きてからの第一声がそれかよ」
遥「…橘先生,月島先生。今何時ですか?」
起き上がりキョロキョロと周りを見渡す。
時計…。
剛「今は夜の七時だよ。自分がなんでここにいるか分かる?」
遥「何となくは…」
日比谷「森山,具合はどうだ」
遥「…喉が渇いている以外は何も問題はないです」
暖かい部屋のおかげで寒くはないけど喉がカラカラ。
甘いものが飲みたい…。
日比谷「はぁ…珈琲ぐらいしかねぇ」
遥「甘いものがいいです」
日比谷「わがままだな…ココアとミルクティどっちがいい」
遥「…甘い方」
日比谷「ちょっと行ってくる…剛はなんかいるか」
剛「ううん,いいや」
ボーとする頭で気を失う前のことを思う。
…心配してるかな。目の前で冷たくなった友人がいたら普通驚くよな…。
剛「遥くん,大丈夫?」
遥「…先生,一つだけ帰る前にお願いがあるんですけど」
剛「ん?」
遥「実は…━━━━━━━━━━━━━━」
«ガラガラ»
日比谷「…森山,帰れるのかもう」
橘先生が帰ってくる前に帰る準備をしておいた。
どうやら制服から秋などに着る温かい服に着替えさせてくれたみたいで制服は畳んで袋の中。
遥「今日中に帰らないと…」
日比谷「そうだな…これ羽織っとけ」
そう言って少しの煙草と珈琲の匂いがする白衣が肩にかかった。
ベットから立ち上がる時少しだけふらついたけど気付かないふりをした。
剛「じゃあまた今度…」
遥「お金…」
日比谷「もう済ましてる…ほら行くぞ」
軽く舌打ちをした橘先生が僕の脇に手を入れ歩き出す。1歩が違うため何回か浮遊感が襲う。
遥「せ,先生?」
日比谷「倒れられちゃ困るからな」
遥「…」
目ざとい…。
そう簡単に倒れはしないけど確かに先生の歩幅は大きい。正直僕が駆け足しないと追いつかないくらい早いし…。
日比谷「よっと,シートベルト閉めろよ」
助手席に放り込まれ締められる。
運転席に乗り込み,エンジンをかける姿は様になってて,バックする際後ろを振り返るたび少し顔が近くなる。きっとこーゆうのがモテるんだろうなぁ。
日比谷「ほれ,甘~いミルクティだ」
遥「ありがとうございます…」
車が病院から出てすぐに缶を投げられた。
それはぬるくて猫舌にとっていい具合な温度。
しばらくの沈黙。
窓の外に目を向ける。
いつも病院に行く時昼だし外なんか観ないから夜だと余計新鮮だな。
遥「先生の車って煙草の匂いがしますね…」
日比谷「悪かったなヘビースモーカーなんだよ俺は」
遥「保険医なのに?」
日比谷「保険医なのに」
オウム返しで返事される。
煙草か…。シン達はあんまり吸わないからなぁ。
そう言えばこの白衣も…。
日比谷「んだよそんに人の白衣匂って…くせぇか?」
遥「ふふ,いやミントの香りがするなって」
日比谷「俺は甘いものが嫌いだからな」
遥「見た目通りですね…」
先生の顔をチラリと見る。
整った顔立ちだと思う。大人なカッコ良さがあって。
遥「先生ってピアス開けてたんですね」
日比谷「よくわかったな…もう塞がってんのに」
遥「ピアスか…僕も開けたいな」
日比谷「…意外なこと思うんだな。優等生のお前が」
遥「ふふ,僕も年頃の男の子なんでそれなりに普通のことを思ったりしますよ」
ピアスを開けたい。耳たぶと軟骨に。
黒ピアスを。
日比谷「開ければ?うちの高校開けちゃいけねぇなんて校則はないからな」
遥「…」
驚きで目を見開き先生を見る。
僕の視線に気づいた先生はなんだよと不機嫌そうに舌打ちをする。
遥「いや,まさか進められるとは思ってなかったです。大抵の先生ってピアスを反対することが多いですから」
そう伝えればあからさまにため息をつかれた。
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