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18歳以上ですか?
128時間にしおりをはさみました!
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128時間
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なーにが先生の写真が撮れたらそれでいいだよ、それ以上は望まない、報われなくてもいい、だよ。大嘘吐きだよ、俺は。欲しいもんは欲しい、死ぬまでに後悔したくないなら、今しかない。あと少しの時間を、やっぱりアンタの傍で感じていたい。俺の、一週間という期限付きの提案に、先生は不思議そうな顔をした。
「どうして一週間?」
「まぁ、訳がありまして。一週間後ももし俺が…いや、なんでもないです。そんときはまた告白すればいいや」
「…変な子。一週間ね、一週間だけだよ。後悔しないように恋人しよっか」
先生の言葉が、すんなりと耳に落ちてきて。俺はなんかもう柄にもなく泣きそうになっちゃって。なんで突然そんな甘くなってくれたんでしょうか。もしかして、俺のこの胸の数字、アンタには見えてんじゃねーのってぐらい、この数字が現れていいことばっかり起きるよ。
ラッキーだ、俺は。
人生にタイムリミットがあると思えなければ、こんなに大胆にはなれなかったな。この数字が現れて、俺はかなり前向きに生きてる。15年の人生のなかで、一番生き生きしてるかもしれない。
先生の細い身体を引き寄せる。ふんわり香った香水の匂い、写真では表せない幸福感、高校一年生の腕の中にすっぽりおさまってしまうほど、華奢な先生。先生、先生、……先生。
「こら!ここ学校!こういうのは誰にも見られないところでするのが鉄則だよ、わかった?」
さすが大人の男なだけある。ちょっと押し返されたらすんなりと剥がされてしまった俺の身体。先生は転がっていった赤ペンを拾って、自分の筆箱に押し込んだ。
「ほら、帰ろうね。お腹すいたでしょ」
「肉まん楽しみにしてます」
「まぁ、…補修もがんばったしね。可愛い恋人の頼みだし」
「恋人って響きいいっすね」
「本当君って謎が多いよねぇ」
「先生ほどじゃないっすよ」
苦笑ぎみに笑わないで、先生のその顔とっても好きだから。俺、アンタを困らせてるね。でも許してほしい、俺のワガママ、あと128時間だけの、ワガママ。
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