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「ねぇ…父さん、学校の勉強で分からないところがあるんだけど」
「……どれどれ」
学校の宿題で分からないところがあった僕は仕事から帰って来た父さんに分からないところを聞きに行く。書斎に入って来た僕に父さんは暖かい眼差しを僕に向ける。父さんは仕事で疲れているのにも関わらず快く僕の宿題を見てくれた。大学で教鞭を取っているだけあって父さんの教え方は上手い。
「父さん、ありがとう」
「いや、別に構わないがあまり無理しないようにな…陽は集中すると周りが見えなくなるから、程々に休憩とか入れるように」
「はい」
僕は父さんにお礼を言って、父さんの書斎を出た。自分の部屋に戻った僕は宿題の続きを始めた、詰まっていた箇所を父さんに丁寧に教えてもらったため、なんとか宿題を終わらせることにした。
「……予習でもしよう」
宿題を終えた俺は教科書を開いて予習を始めた。僕は父さんに誉められることが好きだ、テストで良い点数を取って父さんに誉められたいと言う願望がある。僕はもしかしたらファザコンかもしれない。
「あ、あの…」
隣のクラスの小林さんに呼び出され、体育館裏に向かう。小林さんは頬を赤らめ、僕の様子を伺う。
「そ、その…赤城くんのことが好きです」
顔を真っ赤にして僕に告白する小林さん。彼女とは去年同じクラスで一緒に学級委員した。
「小林さんのことは嫌いじゃないけど、今の僕には誰かと付き合うとか力不足なんだ…だからごめん」
小林さんの告白を断ると小林さんは涙目で僕に背を向けて去って行った。独り取り残された僕はため息を吐いて自分のクラスに戻る。
「なあなな…赤城、小林に告白されたんだろ?」
僕の前の席の坊主頭の男…西山くんが後ろに振り向く。
「…でなんて返事した」
「…なんてって」
西山くんが小林さんの告白になんて返事したのかを僕に尋ねる。西山くん以外のクラスメイトも僕が小林さんにどう返事したのか気になるのか、僕と西山くんの会話に聞き耳を立てている。周囲の注目を浴び、居心地の悪さを感じ、頬を掻いた。
「……断りましたよ」
「かーっもったないな」
僕が小林さんを振ったことに大袈裟なリアクションをする西山くん。
「なんで?なんで振ったんだよ?小林さん、スゲー可愛いじゃん」
すごい勢いで巻くし立てる西山くんに僕は気圧される。一体何が彼をここまで興奮させるのだろうか?
「なんでそんなに必死なんですか?」
「だって赤城ってモテるくせに、誰とも付き合わないじゃん」
もったいないと呟く西山に付いて行けず肩を竦める。
「しょっちゅう告白されるくせに恋愛に興味ないよな、赤城」
羨ましそうな西山くんに僕はため息を吐いた。確かにクオータが珍しいのか、良く告白されるが、これが中々しんどい、相手をできるだけ傷付けないように言葉を選んで断らないといけないため、体育館裏とかに呼び出されるとブルーになる。
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