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286にしおりをはさみました!
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しっかりと体を休めたおれたちは、復活した。
窓の外は、すっかり暗くなっている。
ロープウェイに乗るかどうかで、おれたちは話し合った。
・・・登りの最終は21時半。営業終了は22時だ。
すすきのから市電で20分、そこから無料シャトルバスで5分。
・・・いまから支度するとして、すすきのまでの移動を考えたら20分かかるとして、うーん、バタバタはしたくないなぁ。
上でゆっくり夜景を楽しむ時間を考えたら、更に逆算が必要で。
次にしよっか、という結論に至った。
「じゃあ、すすきの行ってみる?」
といわれ、腰を上げたおれ。
オネーサマと遊びたい人にとったら良い街なのかな?そう風見さんに聞いたら、ププッと吹き出された。
「小夜、そんな店ばっかりじゃなかっただろ?ラーメン屋の激戦区っぽいし、魚を扱った美味そうな店も、ジンギスカンの店もあっただろ?むしろ、普通の居酒屋系の店のほうが多いと思うぞ?」
そっか、エッチィことに無知すぎて勝手に色眼鏡してた。
そうだよね、長崎市の歓楽街である思案橋(しあんばし)も、普通の飲み屋街だし。
そもそも長崎にはそういうお店が無いから、免疫力ゼロ。
「え?ソープとかないの?」
「ないない!多分 条例で禁止されてるんじゃないのかな?」
「へぇ。じゃあ、スナックとか居酒屋系ばっかり?」
「うん、おおお、おっぱいのお店はあるみたいだけど。」
「ほぉー。」
・・・何話してるんだろ。
「・・・暁さん、おっぱいが恋しくなっても、行かないでね?」
「ゲホゴホゴホゴホッ!!行くわけないじゃん!」
良かった。
おっぱい、作れないもん。
「小夜のぺったんこのおっぱいを開発するほうが、楽しいです。」
「もぉっ 」
そんなやりとりをホテルの部屋でして、現在すすきのへ移動中。
「腹は減った?」
「んー、まだ大丈夫。食べようと思えば食べれるけど。」
「じゃあ、観覧車乗ろっか。」
観覧車と言われれば、遊園地とか、海辺のショッピングモールとか、そんなイメージだ。
「この辺にあるの?」
「あるよ、リサーチ済み。そこから夜景を見よう。」
地図を開いて、ここだよ。と教えてもらった。
ん?
「そうそう、さっきのお店の近く。俺らから言えば手間ね。」
「上を見てなかったから、ぜんぜん気付かなかった。」
商業ビルの中にある、観覧車だ。
「7階が乗り口だね。」
エレベーターで登っていく。
2人で1200円、チケットを券売機で買ってスタッフの人に渡すと、写真を撮ってくれた。
よくある観光地とかの写真販売だけど、おれたちにとっては貴重なツーショットだ。
あとで買おうと思いながら、ゴンドラに乗った。
「おれ、久しぶり!」
「俺もだよ。学生の時以来だ。」
座る瞬間にガタンと揺れる感じが、懐かしかった。
「乗る機会が無いよね。」
「だな。・・・あ、小夜、テレビ塔。」
「わぁ〜。」
ライトアップされたテレビ塔は綺麗だった。東京タワーとは また違う雰囲気で、真っ暗な夜の空に輝いて綺麗だった。
「あー!ウヰスキーの電飾!」
「ブフッ。ミッション?」
「クリア!」
あっという間にてっぺんだ。
正味10分程度で一周かな?
「暁さん。」
「ん?」
窓の外を見ていた彼は、おれの顔を見た。
「ちゅー。」
「ハハッ。ちゅー。」
誘うと、笑って触れるだけのキスをした。
「思い出?」
「うん、大事な思い出。」
観覧車の中で、ちゅーした思い出。
初誕生日お祝いで、初旅行で。
初北海道で、初観覧車。
おれの大事な人、暁さん。
胸に刻んで、幸せな気持ちでゴンドラを降りた。
昼間、オクトーバーフェストで焼く・煮るの名産品をしこたま食べたおれたちは、夜は生ものかね?という話になり、新鮮な魚介類をたくさん食べた。
「もー、おれ、ぶたになりそう。」
「俺は通風になるかもしれん。」
心配するところ、ちがーう!って笑いながらホテルへ移動した。
明日は夕方にこっちを出るから、最後の夜だけど、
「暁さん、もっと遊ばなくていいの?」
「遊ぶって?」
「んー。わかんないけど、札幌最後の夜だよ?」
そう言うと風見さんが首を傾げた。
「小夜は遊びたい?」
「遊び方が分かんない。」
正直に答えると、風見さんは破顔した。
「可愛いなぁ。向こうで出来る遊びなら、向こうでするから良いよ。ゆっくりしよ?」
「うん。」
・・・ねぇ。
「暁さん。」
「ん?」
「暁さんは、どんな遊びをするの?」
小夜から言われて、風見は目を瞬かせた。
遊び、ねえ?
前は、女の子と遊んでた。
来るもの拒まずの、お持ち帰りってやつだ。
そんな事はもちろん言えないから、野郎と遊ぶときの事を思い出した。
「俺はカラオケ嫌いなんだよね。だから、飲みに行くか、ダーツするか、ビリヤードか、ボーリングかなぁ。」
「ダーツ・・・ビリヤード・・・。」
ぽやんとした顔で小夜が呟いた。
「したことある?」
「ないないない。」
大学生のときも、そう言う遊びはしてこなかったらしい。
なんだか小夜らしくて、微笑ましかった。
「俺も久しくしてないけど、今度一緒に行こうか。」
「うん!」
キラキラ目を輝かせながら見上げてくる小夜の頭を撫でて、普通の手繋ぎから、恋人繋ぎに変更した。
「今日はお湯張ろうね。」
「・・・うん。」
俺の言外の伝えたいことが伝わったみたいで、きゅっと強く指が絡められた。
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