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番外編42ひと夜咲く純白の花の願い
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賢史「修二に言っとけ、復讐したきゃ自分で来いって!」
この人に、今何を言っても無駄だ…。
全く聞く耳を持たない。
キーホルダーも持ってないだろう。
マキは、説得を諦め、手首に付けていた髪留めのゴムを指に引っ掛け、賢史の顔目掛けて弾いて飛ばした。「ッ!」命中し、賢史の気がそれた瞬間、渾身の力を振り絞って賢史の股間を蹴り上げた。
賢史「グッ!!」
鈍い音と共に賢史が崩れ股間を抑えてうずくまる、動けなくなった賢史をさらにマキはドカッと蹴り飛ばしてベッドから突き落とした。
隙を作り、すぐに丸まって拘束された手を使って靴下を脱ぎ、ベッド脇にあるローテーブルから灰皿を足で摘んで運び寄せる。中にはマッチが入ってて、それをうまく取り、足の指に挟んで丸まり自分の手にも持った。薄い平たい使い捨てマッチを一本擦って火を点ける。
早く、早く。
はやる気持ちを抑えて、拘束してる縄をなんとか焼き切り、縄を逃れた。
起き上がると、賢史はうずくまりながら、ベッドに手をかけて起き上がろうとしている。
マキは、手錠をつけたまま逃げようと出口のドアに向かって走った。
出入り口のドアにたどり着き、マキはしまったと思った。
ドアの横に精算機があり、会計しないと開かない仕組みだった。
ピンチ!
心の中で叫んで振り返ると、フラリと立ち上がった賢史がこっちに来ようとしていた。
ヤバッ!あっ!風呂場!
玄関横の風呂場に駆け込みドアを閉めた。
しかし、ドアには鍵が無い。
ドアノブを力一杯引いて閉めるが、力では賢史の方が有利。
絶対嫌だ!惚れ薬なんか飲まされたら、僕、絶対賢史さんを襲っちゃうよ!
そんなことになったら、きっと百目鬼さんに軽蔑されて気持ちを信じてもらえなくなって嫌われる。僕が何言ったところで、僕の言葉なんか百目鬼さんには届かない。
百目鬼さんの前から消えるって言ってるのに、この小さく思うだけの気持ちを踏み荒らしにされたくない。
…過去の自分を考えたら疑われたり信じてもらえないのは自業自得…。ビッチなのも、百目鬼さんに媚薬飲ませたのも事実だ。でも、だからって、枯れるのを待つだけの気持ちを、賢史には摘み取られたくない。
媚薬を飲んで百目鬼さんと別の人に惚れるのは仕返しされても構わない、でも、百目鬼さんが見てなきゃ意味ないし、百目鬼さん以外とセックスするのは、今は勘弁して欲しい。今朝の温もりが消えてしまう。
ードンドン!
賢史「出て来い、逃げられねぇぞ!」
風呂場には、小さめの窓が一つ。
しかし、あれが開くとは限らない。
手を離せば賢史が入ってくる。
マキ「ッ!」
体全部使ってドアノブを引っ張っても、徐々にドアと冊子の間に隙間が生まれる。ジリジリ引っ張られ、隙間は指が入り込めるほどの物になっていた。
この馬鹿力!
気合を入れ直して全身の力を振り絞ると、バタンとドアが閉まった。しかし、喜ぶのもつかの間、またジリジリ引っ張られて隙間が出来た。
そのやり取りを繰り返していたら、賢史から舌打ちが聞こえてドアを引く力がなくなった。
諦めた?
気配が離れたのに耳をそばだてていると、すぐに賢史が戻ってきて、再びドアが引っ張られる。
んん!しつこい!
泉ヘルプ!!
「自業自得でしょ」って小言が聞こえそうだが、泉は来ない。彼は帰省していて、今はいない。自力でなんとかしなきゃならないが、力一杯の抵抗もだんだん手が痺れてきた。
そして再び賢史側に引っ張られ、ドアに手が入りそうな隙間が生まれた時だった。
ービチャッ!!
マキ「え!?」
賢史が隙間から液体を僕に引っかけた。
甘い匂いのするの物の正体に気づき、目を見開いた。
賢史「人に散々飲ませて歩いた媚薬だ。お前も味わった方が良いんじゃないか?」
マキ「な!?信じらんない!これ!薄めて使うんだよ!」
馬鹿じゃないの!一本丸々原液使うなんて信じらんない!!
激怒するが、手の力が徐々に抜けてく。
ハァ…ハァ…、くそっ…自爆。
自分の薬で自らを貶める結果になる。
以前リオ邸でもこんなことがあって泉に怒られた時の言葉が頭を横切る。
ドアは、徐々に開く…
力が抜けるのも、発情する体も止めることができない…。
賢史の体がドアの隙間に割って入り、僕に手が伸びる、ドアを諦めて手を離し、窓に駆け込んだが、体は重く、賢史の大きな手が僕を掴んで引き倒し、踏みつけた。
賢史「捕まえた」
嘲笑う賢史を、睨むどころか、熱っぽく潤んだ瞳で見上げてしまう。
もう…
諦めるしかなかった…
賢史「ハッ、一本は流石にキツそうだな…」
マキ「…ハァ…ハァ…」
賢史「パンティーからはみ出てるぜ」
マキ「あぅ!」
足で股間を踏みつけにされて、強い刺激に仰け反った。これは最初に修二にも飲ませたことのある強い即効性の媚薬。
賢史「神だけじゃない、他のやつらにも媚薬飲ませて好き勝手やってたんだってな。お前と出会ったやつは皆んな可哀想だな。今からたっぷり泣いて反省しろよ」
マキ「……ハァ……ハァ……」
賢史「…!」
マキ「…ふふッ……ふふふ」
賢史「…」
マキ「…強姦したいなら好きにすれば?僕は朱雀と関係ないし、ただ百目鬼さんを好きなだけ。信じないのは勝手だけど、あなた犯罪はまずいと思うけど、そもそも賢史さんには僕を泣かすことは出来ないと思うけどな♪」
賢史「あ¨?」
マキ「あんたみたいな追い詰め方するやつは、セックスも自分本位の個人プレーが多いいんだ、オナニーと一緒♪つまりは、へ・た・く・そ♪」
賢史「!」
マキ「僕を泣かすどころか、恋人を満足させることも出来ないじゃない♪」
賢史「!、フッ強がりか?それとも、男と寝まくったビッチ様は、痛みも快楽も慣れすぎてて、普通のセックスじゃ満足できないってか?」
賢史はシャワーをとり、媚薬をかぶってびしょ濡れのマキに水をぶっかけた。
12月の気温、水は氷のように冷たい。
ガタガタ震えるマキに、賢史は冷たく言い放った。
賢史「ほら、脱げよ、マキ様」
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