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ー芽生え歌うーその後2
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神さんが帰ってくるまで、修二の家に行くかって言われたけど、今回は、僕の我儘聞いてもらってデートの約束したから、お家で大人しくしてるって言ったんだ。
だけど、本屋に行く時に、なぜかむつからメールが来た。
〝顔出せ〟的なことが書いてあったけど、もしかしたら、神さんが僕をお留守番させてるのを話したのかもしれない…。
神さんってホント可愛い♪
マキ「えーと…、コレとコレと…、うん、2冊で十分かな…」
おめあての本は直ぐに見つかって、レジへ向かって歩いていたら、本棚の間から急に飛び出してきた人とぶつかって本をバラまいてしまった。
ーバサバサバサッ
「す、すいません!!」
お互いに転びはしなかったけど、相手は若い男の子、とっさに謝ると、パニック気味に本を拾い出した。
その時、男の子の拾っていた3冊の本がチラッと目に入った。
あっ、表紙の絵柄…、男の子同士が抱き合ってる。コレって、ボーイズラブ…?
本を凄い勢いで拾い集めた男の子は、直ぐ様本をカバンの影に隠して俯いたが、直ぐに僕の持ってた本も拾ってくれて、申し訳なさそうにおずおずと差し出してきた。
「す、すいませんでした!!」
その時、俯向く男の子に僕は見覚えがあることに気がついた。
マキ「…あれ?もしかして翼くん?」
翼くんは、僕に名前を呼ばれると飛び上がるほど驚いて、僕の顔を見た。
見るなり、顔を真っ青にして、手に持っていた本を放り投げ、僕の腕を掴んで強引に本屋から飛び出した。
直ぐに人気の無い路地裏に僕を引っ張り込んで、かと思ったら力一杯両手を合わせて膝をついて懇願する。
翼「ち、違うんだ!!あれは姉貴に買わされただけで!!俺が買いたくて買う奴じゃ無いから!!」
マキ「え?このネット社会に、わざわざ弟パシリにするの?」
みみちゃんがそんなことするようには思えず、思わず意地悪言っちゃった。
翼「ウッ!!…ご、ごめんなさい!!見なかったことにして下さい!!」
あーあ、泣きそう…。
…ふーん。
なんか分かっちゃったかも…。
神さんと翼くんがユリちゃんと何してたのか…。
マキ「ふふ♪別にそれはイイけど♪」
僕はバラすつもりは無いから、そう答えたけど、翼くんはニコニコする僕を見て訝しげな顔をした。
翼「…百目鬼さんが…言った?」
マキ「百目鬼さん?」
翼「あなた、百目鬼事務所にいた人でしょ、俺のこと聞いてるんだろ、あの人…言わないって…内緒だって…嘘だったんだ…」
僕の態度が誤解を招いたみたいで、翼くんはショックと裏切られたと思い込み、複雑に顔を歪ませてしまった。
マキ「百目鬼さんからは何も聞いてないよ。それに、百目鬼さんが内緒にするって言ったならり百目鬼さんは誰にも言ったりしない。あの人は、そういう真面目な人だよ」
翼「……ほ…んと?嘘ついてね?」
マキ「僕が知ってるのは、みみちゃんと君の曾祖父様の昔好きだった人を探してくれるよう、百目鬼さんに依頼があったことと、今君が本屋でボー…」
翼「わー!!わー!!言わなくていいです!!」
慌てて立ち上がって僕の口を手で塞ぐ翼くんは、ワタワタしてて可愛らしい。
翼「俺違うから!そういうんじゃないから!姉貴のせいで本読むようになっただけで、そっちに興味があるわけじゃないから!」
黒髪にくりっとした目が、涙目になりながら戸惑い睨んで泣きそう。
可愛いなぁ、こんな時代もあったなぁ♪
こういうの見ると、お世話焼きたくなっちゃうんだよね♪
マキ「ふふふ♪、別にそんな慌てることじゃなくない?」
翼「……、あなた…姉貴と同じ腐女子?」
ん?
あー、今日の格好じゃ…
マキ「……、僕、男だよ♪」
翼「え¨ッーーーー!!」
翼くんは驚いて僕から飛びのいてその場に尻餅ついてしまった。
いちいち大袈裟♪
青春だねぇ♪
ってか、この至近距離なんだから気付こう?
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