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18歳以上ですか?
ミルクティー色の、にしおりをはさみました!
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ミルクティー色の、
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そもそも伊澄さんも伊澄さんだよ
危機感たり無さすぎ!俺男だよ!?
伊澄さんもだけど…
一緒にいたらそりゃ近くにいたいし触れたいと思う。
必死に我慢してる所に伊澄さんは無防備で近づいてくる
初めは猫みたいに警戒心強いのに
一度懐くとパーソナルスペースが狭くなるのも俺としては考えもの
最近は佐伯とライブ行ったりすごく楽しそうだし!?
いや、伊澄さんが楽しいのは俺も嬉しいけどさ
伊澄さんのことを思うとその分伊澄さんはこちらに気づいてないみたいに離れていってしまいそうで
一緒に出かけた時、伊澄さんを見る人達の視線が気になる
あの人はすごく綺麗だから人目を引く
しかも全くの自覚なし、なお悪い
好きだと思う反面、閉じ込めてしまいたいという感情に気づき自分の小ささに腹を立てる日々
今まではこんなんじゃなかった
俺だって経験豊富までは行かないかもしれないけどそれなりに恋人もいた。
でもそれがホントに恋だったかと聞かれれば多分違う
好き、とかよりもあの時は告白されて女の子と一緒にいることで誰かに必要とされてる気がして、どうでもよくて、そんな気持ちで付き合ってた
あー、ほんとこんなこと考えるなんてらしくない
「ふはっ」
「んだよ、笑ってんなよ」
「そのお前を伊澄に見せてやりたい」
「俺の伊澄さんを名前で呼ぶな」
「ちっさ」
うるさい、聞こえてるんだぞ!?
こんなやつにも嫉妬して馬鹿みたいだ
別に体を繋げるだけが恋だとか愛だとかじゃないのはわかる。
そこに心がないんじゃ意味がないってことも
それでも、好きな子には触れたいよ
連絡を取るのも俺、話しかけるのも俺、触れるのも俺、全部俺からだ。
じゃあ伊澄さんは?
"ほんとに俺のこと好き?"
いやいやいや、マジで何考えてんだろ
でも、そういえば俺は今は伊澄さんしか見えてないけど元々女の子ご好きだった。けど伊澄さんは?
あの、なんだっけ、ハルさんと付き合ってた時もこんな感じだったのだろか
本当はまだ少しでもハルさんのこと好きなのかな
知らない過去に嫉妬して、きてもいない未来に不安になる
あーもー今の俺ほんとダサすぎ
「閉じ込めておきたい」
「うーわ」
心の中で呟いたはずの言葉は口に出ていたらしく
上総にドン引いた視線を送られる
「お前、そういうとこだよ」
「うるさい、こんなに誰かの好きになったことないからわかんないんだよ」
「ま、伊澄もアレだからね〜お前も大概苦労すんね」
「アレってなんだよ」
妙に含みのある言い方が引っかかる
伊澄さんの全部が知りたい、でも傷つけたくない、暴いてしまいたい
矛盾だらけのこんな状態で伊澄さんに会えるわけもない
「ばーか、教えてやんない。俺と伊澄のひ・み・つ♡」
「…」
「ぶはっ!!!その顔伊澄にも見せてやりて〜」
安い挑発に乗っちゃダメだ。
今日は来るんじゃなかったなあ
なんて考えていると
ブブッ、っと俺のスマホが震えた
画面を見て俺は直ぐに席を立って会計を済ます
「お姫様から?」
「お前には教えてやんない」
今は会いたくないな、と思っていたのに
店を出て直ぐにスマホを取り出す
表示された名前を見ただけで足取りが弾む
ああ、こんなに好きなんだよ
『あいたい』
短く完結でわかりやすいメッセージ
変換もされてない文字は間違えて送ってしまったのか
それでも伊澄さんからの連絡ってだけで俺は掛け出してしまうんだ
直ぐになんでもない、とか忘れろとか送られてくるけど
俺は通話ボタンを押した
数コールもしないうちに出た伊澄さんはきっと顔真っ赤なんだろうな
『今のは間違えて』
いつもと違う機会を通した声でさえ愛しい
もしもしを言うよりも早くそんなことを言うひねくれた君に伝えるのは一つじゃ足りない
「伊澄さん好きだよ。会いたいよ」
グダグダ考えるなんてほんと俺らしくない
だったら行動してしまった方が幾分かましだろう
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