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夜明けの空。
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杉先生が目の端を指で拭っている。
「きっと、トンプソンさん喜ぶよ。」
「本当ですか?!嬉しいです!」
本当に頑張ったのだ。
久しぶりにレコーダーをだして、どの音楽にしようか悩んだ。
昔の教科書を引っ張り出して、アメイジング・グレイスにした。
これはきちんと吹ける自信があったからだ。
歌詞は主にお風呂場で考えた。
お風呂場で歌うと、なんだか上手になった気がする。
「ね、参考までに教えて欲しいんだけど、57577でなんでアメイジング・グレイスになったのかな?」
「それはですね、きちんと吹けるからです。」
なるほど。
質問が悪かった。
「じゃあなんで縦笛を演奏したのかな?」
「お歌って言われたから、ハーモニカも考えたんですけど、一番得意なものにしました。」
うん、これも空振りだね。
「57577って、つまり?」
「GO city!GO city!city!シンガポールへ行くおれを応援してくださってありがとうございます。」
意味が分からず、笑顔を浮かべた。
ごぅしてぃごぅしてぃしてぃ?
「晋作くん、57577をノートに書いてみてくれるかな?」
自信を持って書いた。
「・・・なるほど。」
杉先生が立ち上がり、うろうろと歩きだした。
ブツブツなにか呟いている。
手持ち無沙汰で、とりあえずレコーダーをティッシュで拭いた。
「晋作くん、国語のお勉強しようか。」
「はい!」
俳句と川柳を紹介した。
「これらは、575で作られます。」
「ごーしちごー。」
「文字は、5文字、7文字、5文字ですね。」
ほぉー。
「対して和歌は、5文字、7文字、5文字、7文字、7文字で構成されます。」
ほぉー。
「このルールで作ってみましょうね。」
「はい!」
晋作くんが考えだした。
良かった、今度は通じた!!
「次回、発表してくださいね。」
「はい!」
「いいですか、57577ですよ?」
「はい!お歌も作ります!」
・・・。
晋作くんは、57577と和歌が別物だと思ったらしい。
「もう縦笛は無くていいですよ。」
「わかりました!」
なかなか強烈な晋作くんは、再来週末いよいよシンガポールです。
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