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夜明けの空。2019年6月8日にしおりをはさみました!
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夜明けの空。2019年6月8日
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真夜中に飛んだ飛行機は、早朝に到着する。
機内食は朝4時過ぎに配られた。
突然の機長のアナウンスに、寝ていたおれは飛び起きた。
寝てたんだ・・・。
緊張して、なかなか寝れなかったおれは、お姉ちゃんから借りた本を読んだり、リコーダーの練習をしたりしていた。
風見さんは隣でお休み中で、物音を立てないように気をつけていた。
「晋作くん、おはよ。寝れた?」
身長の高い風見さんと目線が同じ高さで合う不思議さに首を傾げる。
これって、足の長さの問題ってことだよね?
「寝れないって思ってたんですが、いつのまにか寝てました。」
「疲れてない?」
「なんか、だるいです。」
エコノミー症候群にならないようにと、お母さんから運動の仕方を教えてもらっていた。
ちょこちょこと足を動かしてたけど、なんだか浮腫んでいるような気がした。
「ん、熱は無さそうだね。単に疲れたんだろう。これから機内食が配られるけど、トイレに行くなら今だよ。」
「はい、行ってきます。」
初めての飛行機だったけど、トイレは新幹線のトイレと同じだったからまごまごしなかった。
風見さんもおれと交代で行って、身支度を整えた。
配られた機内食は、熱々のお弁当。
食後にコーヒーも頂いた。
外はどんな風になっているのかな?
遮光のスライドを押し上げると、紫に輝く空が広がっていた。
「・・・き、れい。」
夜と朝の間。
紫の空に金色の光が満ちようとしていた。
「夜明けだね。」
「はい。」
思わず手を合わせた。
「エドワード様が幸せでありますように。」
そして、みんなが幸せでありますように。
頭を後ろから撫でられた。
「きっと届いているよ。」
風見さんが優しい目をして笑ってくれた。
もうすぐ、シンガポールに到着します。
もうすぐ、エドワード様の住む街に到着します。
シンガポールのみなさん、よろしくお願いします。
風見さん、本当にありがとうございます。
時計をみたら、あと1時間程度で到着する。
『天気は晴れ、最高気温は32度、最低気温は27度の予報です。これより飛行機は高度を下げ、着陸態勢に入ります。』
嬉しい。
待ちわびた、シンガポール。
エドワード様、待っててね。
晋作は高鳴る胸をそっと押さえた。
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