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18歳以上ですか?
楽しさにしおりをはさみました!
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楽しさ
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広瀬「はーい、コアラさんたち。お話は終わったかな…?」
遠くでお花のお手入れをしていた広瀬先輩が、未だ抱き合ったままでいる僕たちのところへ来ました。
僕「……はっ…!ぼ、僕たち……!せ、せんぱいっ、下ろしてください………っ」
広瀬先輩が来たことを知った僕は、今の僕たちの状況を思い出し、慌てだしました。
ですが、そんな僕に対して萩野先輩はさらにぎゅーっと抱く力を強くしてきました。
僕「ふぁ……っ」
せ、せんぱいっ、強いです………
萩野「………元はと言えば広瀬が………」
そして萩野先輩の機嫌が戻っていたかと思えばまたムスッとした声に変わりました。
広瀬「………はぁ、だからってねぇ………」
萩野「………ふん」
僕「………………」
僕は強く頭を抑えられているため、お二人がどんな顔をしているのか全くわかりませんでした。
広瀬「よし、まあ今日はこのくらいで帰ろうか。」
少しの沈黙の後、広瀬先輩が終わりの声をかけました。
僕「え、でも……、僕まだ何もしてないです………っ」
そう、僕は広瀬先輩からお話を聞いてそのまま萩野先輩とお話をしたため今日の活動は何もしていないのです。
広瀬「いいよいいよ。元々そんなに活動ないしね。」
ですが広瀬先輩は笑って終わりにしてくれました。
萩野「帰るよ、春。」
僕「…は、はい。…………って、えぇ!?」
萩野先輩が僕に声をかけると、なんと萩野先輩は僕を抱っこしたまま立ち上がろうとしました。
僕「ちょ、萩野先輩……流石に下ろしてください……っ!」
僕は慌ててバタバタとし、足を地面につけました。
萩野「……別にこのままでもよかったのに。」
僕「ちょ……僕は子供じゃありません……っ!……もう、先に帰りますからね……!広瀬先輩さようなら!」
広瀬「はい、さようなら」
萩野先輩のしれっとした様子に、僕は少し怒りながら先に帰ろうとしました。
萩野「あ、待って……」
そんな僕に少し焦って萩野先輩はついてきました。
実はこの時のやりとりがちょっと楽しかったのは内緒です…////
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所変わってこちらは駅のホームです。
僕と萩野先輩は帰る方向が一緒なため、乗る電車も同じなのです。
プシューーーーーーーーーーーーーーっ
あ、電車が来ました。
僕と萩野先輩は人で混雑した電車に乗り込みました。
……今日も一段と混んでるなぁ…
と、僕が思っていると、萩野先輩が僕の腕を掴みました。
萩野「こっち」
そして、ドアの端の角に僕をやり、萩野先輩が両腕を僕の頭の横に付いて、僕を守ってくれる形にしてくれました。
僕「………っ////あ、ありがとうございます……」
………ち、近い……っ
僕はあまりの距離の近さに辟易してしまい、語尾が尻すぼみになってしまいました。
萩野「うん」
僕がチラッと萩野先輩を仰ぎ見ると、萩野先輩は甘い笑顔で僕を見ていました。
僕「………………っ////ボンッ……!」
僕はあまりの格好良さに顔が一気に赤くなってしまいました。
そのまま直視できず、僕はすぐに下を向きました。
…………ううぅ………、やっぱり格好良いいよぉ…
………こんなに紳士で優しい先輩なんだからそりゃあモテモテだよな………
僕は今日の温室での出来事にここまで浮かれていましたが、急に心が冷えたような気持ちになりました。
……そっか、あんなに甘やかされても萩野先輩は僕のことを好きなわけじゃないんだ………
僕はこの距離感も、一気に辛いことのように思えました。
こんなに近いのに…………届かない……
僕は異変を悟られないように残りの電車はずっと下を向いて過ごしました。
そして、僕の降りる駅が来たので急いでおりました。
僕「………ありがとうございました。また明日です、」
萩野「うん、またね」
ドアが閉まる時にお礼を言い、萩野先輩とは別れました。
次の駅に向かう電車を見送りながら、泣きたい気持ちになりました。
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