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18歳以上ですか?
201にしおりをはさみました!
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201
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幸人のおねだり上手な瞳に負けて、
いつの間にか2人ではとても食べきれない量のケーキを注文していた。
立派なホールケーキを買うよりも、
幸人の好きなものを一つずつ買ってやった方が
本人も喜ぶだろうと思ったから
量に関してはあまり気にしなかった。
「あ、すいません。
2と6のろうそく貰えますか?」
「かしこまりました~。」
「え?!恥ずかしいなにそれっ」
「っは。26本欲しいならそうしてやるけど?」
「……………なしっていう選択肢は――」
「ないな。」
「……では2と6を1個ずつでよろしいでしょうか?」
「はい。それで。」
男2人のしょうもない話を
楽しそうに聞いてくれる店員は
きっといい人だと思う。
隣の幸人はかなり恥ずかしがっていたけど
せめてこれくらいしてやりたい。
幸人の誕生日に、
幸人から
俺を誘ってくれたんだから。
何も用意してやれていない分
ケーキくらいは、雰囲気だけでも誕生日らしく。
誰かの誕生日で、
こんなに張り切ったのは初めてだと思う。
年なんて誰もが重ねていくものだし
1年たてばまたその日はやって来る。
24時間たてば次の日になって、
365日たてばまた戻ってくる。
世界にとって特別な日でもなければ
大方の人間にとっては何もないただの1日だ。
でも
俺にとっては大切な日。
愛しい人の特別な日
大切でないはずがない
家に帰って早々テーブルの上にケーキを並べ、
どれにしようかと悩む君の頬に口づける。
驚いた顔をする幸人を抱きしめて、
溢れそうな想いを可能な限り詰め込んで
囁いた。
「誕生日おめでとう。」
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