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264にしおりをはさみました!
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「あっらー!高木君たちのクラスいい事してるじゃなーい!!」
内部公開の開始は9時。
何とか外装の仕上げも終わって時間通りに模擬店をオープンさせると、1番乗りでやってきたのは隣のクラスのナル先生だった。
「ナルだー!!」
「いらっしゃーい!」
「ナル先生たくさん買ってー!」
初めての客に飛びつくように群がっていく生徒たち。
おいおい、ナル先生に懐きすぎじゃね?俺のクラスなんだけどー。
「んもー、落ち着いてったら!ふふふ。
じゃあミルクティーを1つ――…」
「ナルちゃん!だったらキャラメルミルクティーがお勧めだよ!+200円でご提供できますっ。
それにタピオカ増量も+100円だから、たったの300円プラスするだけでナル先生のための特別なミルクティーに生まれ変わっちゃうよ~~~??」
流石はウチの看板娘。
接客は多分このクラスの誰よりうまい気がする。
あまりのやる気に若干苦笑いになったナル先生だったが、無事タピオカ増量キャラメルミルクティーを購入していってくれた。
「売れたぞーー!!!」
「よっしゃあああ!!」
ナル先生の姿が消えた途端、クラスが一気に盛り上がった。
初めての文化祭、初めての模擬店、初めての売り上げ。
生徒たちにとって、それは物凄く特別な事だったんだろう。こうしてクラスが団結していく姿を見るのは気分がいいし、心が温まる。
それからも、色んなクラスの生徒が訪れて、
笑顔で飲んでいるのを眺めていると、自然と俺たちも笑顔を貰っていた。
展示品を制作して当日は特に仕事がない生徒だったり、同じように模擬店を出しているクラスでも、その中の空き時間を利用して来てくれる生徒だったり。
やはり教師よりも生徒に人気のあるタピオカドリンクは、売り上げ予想を大幅に上回った形で開始から2時間足らずで売り切れになった。
兎毛成は勿論幸人と一緒に回っていると思ったが、それがそうじゃなかったらしい。最近わけあって転校してきた同じクラスの生徒と結構うまくやっているみたいで、その生徒と一緒に抹茶ミルクを買いに来てくれた。
友達?って聞いたら兎毛成はうるさいって顔を赤らめていたけど、それは何となく嬉しそうに見えて、いつもは憎たらしいの塊でしかないこいつを少し可愛いと思った。
でも、兎毛成が幸人と一緒じゃないとするなら、幸人はどこに居るんだろう。店の後片付けをしながら、ふとそんな事を思った瞬間
廊下から、興味深い話が聞こえた。
「2年の模擬店行った?疑似ホスト!」
「行った行った!何がヤバいって氏原先生だよね~。」
「それな!誰かの代わりとか言ってたよねー、なんか珍しい名字の…。」
瞬時に渡辺と目が合う。
これは行くしかねえ奴だ。
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