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辛くないはずない!にしおりをはさみました!
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辛くないはずない!
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あの五人はもう帰してある。
もうそろそろ、俺も帰らないといけない。
テッちゃんのいまの両親は海外に出張中らしく、このまま一人で帰すわけにはいかないから、俺が連れ帰ることになっている。
テッちゃん、ほんの少し顔に血の気が戻って来た。
よかった。
少し、安心した……。
「テッちゃん……」
ごめん。
ごめん。
守れなくてごめん。
「た……かお……くん?」
「テッちゃん!」
テッちゃんが俺を呼んだ。
それに反応して、少し大きい声をあげてしまった。
「おはようございます、高尾くん」
「心配した……。マジ心配した……。よかった。テッちゃんが起きてよかった……」
「すみません。心配をおかけして」
「俺が悪かったんだ。ごめん。俺がもっとちゃんとしてれば……こんなことには……」
「高尾くんだけが悪いわけじゃありませんよ。僕だって可能性を考えてなかったんですし。お互い様です」
「でも、傷ついたのはテッちゃんじゃん!」
「高尾くんだって、辛そうな顔してます」
「当たり前じゃん! 愛しい人を傷つけられて、辛くないはずない!」
「そうやって思ってくれるだけで、十分です…………」
そういったテッちゃんは、しかし言葉とは裏腹に泣きそうな顔をした。
「……と言いたいところですが、怖かったのは事実です。助けてくれて、ありがとうございます」
「テッちゃん……」
必死に泣くのを堪えてるテッちゃんを見ていられなくて、抱きしめた。
「高尾くん……」
すると、テッちゃんは俺の名を呼び、堪えきれなくて泣き出した。
テッちゃんが泣いてる間、俺はテッちゃんを安心させるため、ひたすら抱きしめて、撫でてやった。
テッちゃんは、その後泣きつかれて眠った。
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