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11-④ 仲直りオケにしおりをはさみました!
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11-④ 仲直りオケ
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「いらっしゃいませ〜」
「フリータイムで2人お願いします。」
「かしこまりました。201号室へどうぞ〜。」
「ありがとうございます。ほら行くぞ蓮南。」
「ちょちょちょ!待って!急になんでカラオケ?」
そう。
蓮南を連れてきたのは某カラオケ店。
ここなら大声を出してもバレやしない。
部屋を暗くしていれば中の様子もあまり分からないし、蓮南と2人きりで入ったのならば護衛たちも安心して見守りに徹するだけで何もしてこないだろう。
扉を閉めて、お互い向かい合ってソファに腰掛ける。
「さて蓮南。」
「は、はい。」
「単刀直入に聞く。なんで俺たちはこんなに長く離れる必要があるんだ?」
「えっと。それは……。」
「俺たちは友達だろ?違うのか?」
そうだ。
俺たちはただの友達なんだ。
もちろん専属の護衛ではあるのだがそれはまた別の話として。
ただの友達、というか親友と言っても過言ではないほど一緒にいたと俺は思っていた。
あの時まではな。
「色々あったけど、もういいだろ。俺は元に戻りたい。お前はどうなの。」
「俺だって……今まで通りでいたいけど……まだ……気持ちの問題で……」
「何の?」
「その……。」
「別に俺の事好きとかじゃないだろ?お前彼女できたって聞いたし。」
「作ったよ。でも、」
「じゃあ何の問題があるんだ?俺たちは友達だ。この前のことは遊びにすぎなかったって訳だ。分かったか?」
俺がそう捲したてると、蓮南はぎこちない笑顔でこくりと頷いた。
よかった、これでもう安心だ。
「なら元通りだな!はぁ良かった。じゃあせっかくカラオケ来たんだし歌おうぜ。俺カラオケ初めてなんだよな〜。」
「えっ、初めて?あんなにスムーズに入店してたのに?」
「まさやに聞いた。だって俺、ずっと入院してたし外出しなかったから。知るわけないだろ。」
でもそれは、何があってもやっぱり変わらないものだとも思った。
あの事件があったからこそ俺は蓮南と、友達と、ちゃんと向き合えた気がする。
「まさやって誰?」
「クラスの奴だよ。金髪の。」
「もうクラスの人と仲良くなったんだ。」
「あいつが一方的に話しかけてくるだけ。」
「そ、そっか。うん。せっかくだし歌おっか。」
でも、熱っぽい感情を向けられたことに関しては、まだ俺も消化できてないけど。
それよりこいつと一緒に遊んだりバカし合えないほうがよっぽど問題だ。
「太陽くんうまいね〜」
「蓮南はびっくりするほど音痴だな。意外だ。」
「うるさいなぁー。僕はリズムと音程がちょっと人とずれてるだけで音痴じゃないもん!」
「それを世では音痴って言うんだよ。」
「むう〜許さない!難しい曲入れてやるんだからっ!」
「どうぞ何でも入れてくれ。あ、演歌だけは勘弁な?」
「ふふん。○軽海峡○景色いれた。」
「は?ふざけんなよ。ほんとお前って奴は……。」
最高の友達……だな。
なんつって。
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