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ちゃらお君の疑問にしおりをはさみました!
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ちゃらお君の疑問
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生徒会室で静と遭遇してから2日たった。この2日間、恭弥は学校での静の様子を観察していた。
今までこれっぽっちも興味のなかった美津島静と言う男はいつも胡散臭い笑みを浮かべている。話し方も『せい』とは全然違う。
* * *
ある生徒が保健室を訪れたのを盗み聞きしていた時
「突き指ですか、なるほど体育でバレーボールをしていたんですね。担当の先生には話しましたか?……まだですか、では私の方から伝えておきますね。骨には異常がないようですし教室に戻りましょうか」
* * *
ある男子生徒達が廊下で美津島とすれ違った時
「あ、しずちゃんせんせー」
「静ちゃん昼休みバスケしようぜ!」
「ダンクダンク!静ちゃんできそう!」
「皆さん廊下は走ってはいけませんよ、危ないですからね。それから美津島先生と呼びなさい。ダンクは…私ももう若くないですからね…」
「えっしずちゃんせんせーって何歳!?」
「ふふふ、秘密です」
* * *
ある女子生徒2人が美津島に彼女の有無を問いただしていた時
「静ちゃんて結婚してないんだよねー?」
「してませんよ。先生と呼びましょうね」
「彼女は!?彼女いる!?」
「いないわけないじゃん、こんなイケメンなのに!」
「そうだよね〜。静ちゃんちょっとメガネ外してみて〜」
「ほら2人とも、授業遅刻しますよ」
「え〜‼︎待って、彼女がいるかいないかだけ教えて!」
「…いません。想い人はいるんですけどね、嫌われてしまったかもしれません」
「何したのー!!」
「静ちゃん嫌う人なんていないよ〜」
「ありがとうございます。さあ教室に戻りましょうね」
* * *
とまあこんな感じでどんな生徒にも平等に丁寧に接する。物腰が柔らかく声を荒げることはないし、叱るときも諭すように言うタイプである。男女問わず生徒からの信頼は厚く人気も高い。恭弥に見せている顔とは大分違うと言える。
(初めは俺もせいは優しいと思ってたけどほんとは腹黒くてめちゃくちゃ怖い時あるし、叱られる時はなんかオーラ出てて怖いし、爽やかとか何の冗談?ってくらい胡散臭い笑み浮かべてるの誰も気が付かないのかな…)
結論『怖い男』になっている。
やはり『美津島静』と『せい』は近い部分はあるものの、別人と言っても過言ではないほど違った人物像である。
(二重人格?いや、多重人格かな?)
学校での静は猫を被っているようだと恭弥は思った。
(俺と、同じじゃん。でも…)
社会人が仕事での顔を持っているのは当然と言えるが、『せい』が恭弥に対して初めは優しいだけの男だったのに段々とそうでなくなった理由はなんなのか?それが恭弥は気になった。
本当の美津島静という人間が恭弥にはわからなくて、知りたいと思った。
「…ぃ。…おい!!」
「ん?」
「聞いてなかっただろ」
「ごめんごめん。何?」
「ここ、教えて欲しいんだけど」
そう言って教科書を見せてくるちとせに意識を向ける。恭弥とちとせは今テスト勉強中であった。
「ここは四段活用が〜……で…………ってなる」
「うわーわかった、わかりやすい。お前実は頭良いの未だに意外だ」
何とも言えない顔をして教科書に視線を戻したちとせを恭弥は見つめる。
(そういえば帰り際に斗真、ゆづるに声掛けられてたなぁ〜)
ゆづるとは佐藤ゆづるという男子生徒で、恭弥や斗真たちと同じ内進生である。中学の頃から斗真とはそういう関係で、オトモダチの中では唯一の男で1番長く続いている人物である。
何となくそれを思い出した恭弥は先日の斗真との会話も思い出して、ちとせに聞いてみたくなった。
「ちとせさー斗真とどこまでいったの?って、付き合ってからね」
無理やり付き合うことにされたというちとせが斗真の行動を把握しているのか、していたとしてどう思うのかが気になった。
自分とは違うレンアイをしている人間の考えを知りたいと思ったのだ。
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