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職場のことだと俺は何もしてやれない。
けど、今ここいてくれるから、言葉をかけてやることも、撫でてやることも出来た。
「────……仕事、辞めたいって言ったら、なんて言う?」
泣き疲れて静かに肩に顔を埋めていた律が小さな声で問いかけてきた
「やめてーの?」
頭に優しく触れながら聞く
「……うん…お、怒んなよ」
こういうことを誰かに言うのは初めてなのだろう。
体に力が入っていて、緊張しているのが伝わってきた
「怒んねーよ。
…やっぱ辛いか?」
「…………っ、もう、行ける気がしなくて…」
「そっか。…だな。」
何も、律はこの仕事をしていないといけないなんて決められたわけじゃない。
こんだけ辛い思いして、病院まで行って、昔の記憶までぶり返して弱りまくってるこいつに、これ以上やれとは言えなかったし、それが正解とも思えなかった
もっと、別の場所があるはずだ。
律にとって、呼吸のしやすい場所が。
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