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見送りにしおりをはさみました!
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見送り
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「怜さんっ」
「ん?どうしたの?」
「あの、これよろしければ!」
それはこの前自分用に買っていた小さな箱に入ったクッキー。
家に一人のとき食べようと買っていた人気店のクッキー。
まだ開けていなくて良かった
開封済みのものであればいくら人気店といえど渡せなかったから。
「子犬ちゃんのじゃないの?」
「いいんです!怜さん食べてくださいっ」
「本当にいいの?
子犬ちゃんがもぐもぐしたくて買ったんでしょう?」
「怜さんに食べてほしいんです」
「ふふ、ありがとう。大切に食べるね
子犬ちゃんは甘いのが好き?」
「んー好きっていうか、たまーに食べたくなるんすよね」
「いいこと聞いた。覚えておこう
じゃあ俺はそろそろ帰るね。また連絡するよ
ばいばい、子犬ちゃん」
「送っていきますよ?」
急いで身支度をしようと立ち上がるがその腕を掴まれ、ソファに戻されてしまった
「いいのいいの。ゆっくり休んで?」
足の痛い怜さんとここで別れるのは心配だったけど、何度も大丈夫と断られてしまって結局玄関までの見送りになってしまった
「怜さん、今日はその…ありがとうございました」
玄関で手をふりながら伝える
「こちらこそ。
楽しかったよ。またお話しようね」
パタン
玄関が閉まる
途端に部屋中が静かになった気がした
たまたまとは言え、知り合えてよかった。
あんなに優しくて綺麗な人なんて早々いない。
俺ラッキーだ。
今日怜さんと話せたのはせんせーのお陰。
ありがと先生。楽しかった。
ソファに戻って息を吐く
…今日、父さん帰ってくんのかな。
取り敢えず飯作るか?いや、風呂に入ろう。
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