アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
肉体愛者、いわくにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
肉体愛者、いわく
-
「俺はさ」
「人と感情を通わせるのが苦手なんだよ」
「苦手つーか・・・怖えっつーか」
「不安になる」
「そんな不確定で見えないものに縋る(すがる)のが」
「いや、会話をしたりすることは好きだけど」
「そうじゃなくて」
「・・・セックスは、さ」
「すげー分かりやすいだろ?」
「まんま、生体反応だから」
「気持ちいいときはそう反応するし、嫌ならまたそれも露骨に出る」
「如実に出る」
「だから変な駆け引きみたいなのもなくて、分かりやすい」
「いや、プレイ上のテクとかとの駆け引きとはまた別の話だけどな」
「・・・ただ、怖いんだよ」
「セックス中は人間誰しもが酩酊(めいてい)状態みたいになるだろ」
「・・・ああ、新堂には分からないんだったな」
「まあ、だからこそ」
「酔ってない」
「・・・素面(しらふ)の状態で相手と関わるのが」
「好きって感情が、俺は怖い」
「好きな食べ物、好きな映画、好きな言葉」
「そういうのとは次元が違う、好き」
「特別、とも言うのか」
「何かが、どうにかなってしまいそうな不確定で不可視のくせに強い影響力と支配力を持っている、その感情が」
「俺はたまらなく怖い」
「その感情を向けられることも」
「その感情を抱くことも」
「だから特定の相手は作らずに、不特定多数と一斉に関係を持つ」
「長く一緒にいると特別になるかもしれねえだろ」
「でもさ」
「やっぱ、別れんのは寂しいんだぜ?」
「その関係が終わることも」
「その関係が壊れることも」
「だからやっぱり俺は好きって感情が」
「恋愛感情が」
「怖くて、憎くて仕方がない」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 7