アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
スイーツモンスターにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
スイーツモンスター
-
『遅れたごめん。今電車』と文章だけのメッセージが、茅野から届いた。
絵文字を使う余裕もなかったのだろう。
とりあえず電車に乗ってから送ったんだろうな、と想像はつく。
今から十分もかからないうちに、夕里の家へ着くだろう。
新しいチョコレートを買うのはもう諦めた。
せめて証拠だけでも隠滅しようと、夕里は空になったものを、ゴミ箱の底のほうへ捨てた。
……────。
「ごめん。ちょっと長引いた」
「べ、別に大丈夫……。というか、もうちょっと遅れて来てもよかったんだけど」
「えー? 夕里、焦らされたいの?」
「そんなこと言ってないだろ」
うちに「おじゃまします」と入る前から、茅野の態度は甘い。
家族は夕里を残して外出中だ。そんな事情を茅野に伝えたうえで、こうして家に誘っているのだから。
「二人きりになんの、久しぶり」
「お、おう……」
ひしと抱きつかれて、夕里は鼻先をセーターへ埋める。
急いで来たのだろう。すぐ側で感じる心臓の音が速い。
茅野の行動はいつも突飛だ。
それでも今思いついたような感じでもなく、恋人だから、といつも堂々としている。迷いのない、しっかりとした手つきが好きだ。
「茅野、手冷たいっ……」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
245 / 255