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風邪3にしおりをはさみました!
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風邪3
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sr.side
目が覚めると頭の痛さは増してて、左手首は包帯が巻いてあって、あちこちに湿布が貼ってあった。
そうだ僕倒れたんだ。
どうしよう…今から怒られるんだ。殴られるんだ…
「やぁ…ヒュッ…ゴホッ…ごめ…ごめんなさい…」
僕に気づいたみんながあるいてきた。
やだ…やだやだやだやだやだ…
「こないで…」
課長の手が伸びてきた。殴られるんだ。
僕が悪い子だから。
「ごめ…ヒュッ…な…さッ…」
苦しい…苦しいよ…誰か…誰か助けて。
ぎゅっ
えっ…?
「みかる、お前に過去何があったかなんてわからんし、今なにに怯えてるかもわかんないんや。
けどお前が苦しそうに泣いて、怯えてるのは見てられない。俺たちはお前にそんな顔させたくないんや。」
課長は僕を抱き締めながらそう言った。
なんで?
なんで僕は悪い子なのに優しくするの?
悪い子は殴られるんでしょ?
怒られるんでしょ?嫌われるんでしょ?
「…なんで…なんでやさしくするの…なんでなぐらないの…ぼくはわるいこなのに」
「みかる、お前はいい子やよ。
第一、悪い子だったとしてもそれは殴っていい理由やないし、そもそも風邪なんてみんな引くもんや。
風邪っぴきが悪者ならこの世は悪者だらけやないか。」
ゆげぽが僕の頭を優しく撫でた。
ぼくは無意識に昔のことを話始めた。
小さい頃体弱くて…今も体調崩しやすいのは変わらないんだけどね。
最初の頃はおかあさん優しくしてくれた。けど弟ができてから変わった。
『風邪引いたらこっちこないで!弟に移る!』
『風邪を引くのはあんたが悪いのよ。』
『悪い子にはお仕置きしなきゃね』
ごめんなさい…いい子になるから許して…
『あんたのせいで弟が風邪引いたじゃないの!どうしてくれるのよ。』
なんで僕のせいなの?僕最近風邪引かなかったよ。
どうやったら優しいおかあさんに戻ってくれるの?どうして僕だけ怒られるの?
四人は話を真剣に聞いてくれた。
「練習邪魔しちゃってごめん…こんなことになるとは思ってなかった。いつも隠せてたから今日も隠せるかなって…
お母さんも僕が元気のときは優しかったから。良い子でいなくちゃって。」
あれ?…何で皆泣いてるの?
「自分が辛いのを隠して我慢してるのが良い子なら、いい子やなくていい。」
課長はそう言った。
「いい子じゃなくていいの?」
「みかるくんが風邪引くことを悪いことって思ってるのはしょうがないと思う。
じゃあみかるくんは、俺やみんなが風邪を引いたらどうする?悪い子だって突き放す?」
フジくん…
みんなが風邪ひいたら…
“母さん、友達も風邪引いたりしてるよ、でもみんな優しいよ。悪い子じゃないの?”
“母さん、弟風邪引いてるよ?なんで怒らないの?”
『煩いわね、他の子はしょうがないの。あなたは違う。』
何が違うの。僕母さんの子だよ?
「「「「みかる(くん)!!!」」」」
「僕はみんなと違うんだ!僕だけが悪い子なんだ…
風邪引いて僕だけが怒られるのは、僕はみんなと違うからしょうがないんだって言い聞かせてきた。
…でも何が違うかわかんなくて…それもしょうがないんだって。」
そうだよ…しょうがないんだ。
「なにがしょうがないんだよ…
しょうが無くないだろ!!なんでお前ばっかそんな辛い思いしなきゃいけないんだよ。
俺達の前だけでいい、だから弱いところ見せろよ。辛かったら辛いって言えよ。俺達はお前を助けるから。」
みんなも課長に合わせて頷く。
「いいの…?」
「「「「もちろん。」」」」
なんでこんなにいい人達に出会えたんだろう。
「ありがとう…」
僕はそのまま安心して眠ってしまった。
ーーーーーーーーーー
“おかあさん、ぼくおねつある!”
『ほんとだ!大丈夫?ほら、一緒におねんねしよ。』
“おかあさん!あたまいたい”
『痛いの痛いのとんでけ!』
“おかあさん、げんきになったらあそんでくれる?”
『いいよ、なにしよっか。』
これはまだ弟が生まれる前のお話。おかあさんが優しかったときのお話。
“ふふっおかあさんだいすき!!”
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