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彷徨うもの 3にしおりをはさみました!
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彷徨うもの 3
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「セテ……ィ、も……むり……ごめ…… 」
何度目かの逐情の後、アキラは眠るように意識を失った。
対面座位のまま揺さぶり続けてアキラも2度精を放っている。
自らの腕の中で脱力して身を任せきっているアキラに、さらなる愛しさを募らしていた。
啄ばむような口づけをして、情事の後の気怠い時間を楽しんでいたのに、それを邪魔するものが近づいて来る。
ヴァジェトが……情事の終わりを見計らって、アキラの元を訪れたのは夜もかなり更けた時刻だった。
本来ならば邪魔するような時間ではない。
だが。
セテフ立会いの元、新たに行われた治療にはネフェルテムの命の元とも言うべき体液【血液】が使われた。
これを粘膜から摂取する……
この場合は、勿論経口摂取となった。
すべてはアキラの意識が失われている状態の時に行われ明朝、目を醒まして説明を受けたアキラは仰天した。
と、同時に姿を見せないネフェルテムの事を気にする。
ヴァジェトから受けた傷の事はアキラには伏せられていて、彼は不信感を募らせていた。
世の中には知らない方がよいこともあるというのに……
とりあえず今は。
「うそ! うそ、うそ、うそ、うそっ ‼︎ 」
自分より僅かに小さなネフェルテムの身体を抱き締めてアキラが錯乱している。
先ほど、皆が……セベクを始めセテフ、アビス、ヘデデト、ヴァジェトが集うアキラの居間にネクベトに導かれたネフェルテムが入室して来た。
……すぐに感じた違和感は、身長が伸びた事だけではない。
母親譲りの美貌の顔、左半分をレモンイエローの髪で隠してその下からは黒い皮の眼帯が見え隠れしている。
その眼帯の下、頬の部分には鋭い爪痕が3本……
「それって、僕のせい⁈ そうなんでしょ?
ねえっ! 誰にやられたの⁈
ネフェルテム! 答えてーっ ‼︎ 」
涙をポロポロ溢しながら、自分より逞しくなった身体を必死で揺さぶる。
「女神さま……違う……
決してあなたのせいではありません。
……これは……僕の罪。」
「やっぱ、僕のせいじゃんか〜 」
さめざめと泣くアキラをオロオロとして抱き締め返すネフェルテム。
「あんなに綺麗な顔だったのに……
もう痛くない? 大丈夫なの? 」
「女神さまは……醜くなった僕の事は……もうお嫌いですか? 」
「何言ってるのっ‼︎ 馬鹿な事、言わないで〜っ‼︎ 」
ネフェルテムの首にしがみついて離れない、泣きじゃくるアキラを夫たちは苦々しげに見つめている。
「ねえ!皆はこの事を知ってたの?
僕にだけ隠して、蚊帳の外? 」
アキラに睨まれてたじろぐ夫たちの中で、ヴァジェトが咳払いをひとつ。
「私がネフェルテムに罰を与えました。」
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