アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
彷徨うもの 86にしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
彷徨うもの 86
-
見るに見兼ねたヘデデトが、アキラの腹の上で腰を振り続ける鬣犬を剥ぐようにして引き離して、漸く獣達の晩餐は終わりを告げた。
薄い胸を上下させて荒い息を吐くアキラを、様々な液体にまみれたその姿のまま、ヘデデトは抱き上げる。
今日ばかりはヘデデトを遮るものはいない。
セテフはアビスの肩に手を置いてふたりを見送る。
……本当は、自分が抱いて閨へ引き揚げたかった……
だが自分では……
一度、愛しいものと繋がってしまえば、直接蜜壺に仕込んだ媚薬は己をも侵し、正気を失った自分は……アキラを殺してしまうかもしれない……
総毛立ったセテフは恐怖に打ち震える。
鰐館でのアキラの居室では、老女やターメラによって湯殿の準備が調えられ、主の帰りを待つばかりだった。
そこにヘデデトの手によって悲惨な状態のアキラが運ばれてくる。
……最早、手布で清める……といった状態では無い。
ヘデデトは素早く二人と視線を交わすと、アキラを抱いたまま直接湯槽に入っていった。
胡座をかいて太腿にアキラを横抱きにして座る湯槽に素早く二人の女が取り付いて、痣の浮き出した肌を丁寧に海綿で清めていく。
ターメラの口からはもう少しで非難の言葉が飛び出しそうだったが、今ここでそれをいっても詮の無い事。
ヘデデトは当事者では無いだろうし、今現在は只々アキラの事が心配な様子。
その証拠に彼は一切……発情していない。
この状態のアキラを抱いていて勃起すらしていないのだ。
アキラの夫たちの中で異色の存在【ヘデデト】
彼は、彼にとっての唯一の存在……アキラに真っ直ぐな愛情を寄せている。
それは愛欲を伴ったものだけではなく【慈愛】【思慕】といったすべてを包み込んで余りある……ヘデデトの愛。
本来は底なしの冷酷さを誇るヘデデトの、その正反対の感情【愛】
アキラだけに向けられるそれは一切の見返りを求めない……【無償の愛】
そんなヘデデトだからこそ、セベクは、セテフはこの状態のアキラを委ねた。
ヘデデトは絶対にアキラを傷つけない。
目覚めてはいるが覚醒していない……
ぼんやりと宙を見つめるアキラを、その股座に抱いてヘデデトは洗い髪の雫を拭き取ってやっていた。
急に振り返ったアキラの口から零れた言葉。
「シたい……」
突然、意識の宿った身体が抱きついてきて口づけをせがむ。
そして自分からヘデデトの歯列を割り開いて舌を差入れ、絡みつき、吸い付いた。
下半身を押し付け、自ら呑み込もうとする。
だが……
ヘデデトには今宵は繋がる気は無く、したがって勃起もさせていなかった。
「へ〜デデト〜」
熱をもった眼差しが見つめてくる。
両の掌を使って扱いて……どうにか硬化させて繋がろうとする今のアキラに、逆らえるものがいるとすれば……それはこの世でたった一人、ヘデデトだ。
苦笑いを浮かべたヘデデトが強烈な意思の力をもってして自制して、そしてこれからアキラを寝かしつけねばならない。
本来ならとっくに睡眠を必要として……意識を失っているはずなのに、この媚薬の効力は一体如何許りなのか?
「ヘデデト〜 ぼく……欲しいよぉ」
身をずらして男根を咥えようとした瞬間、反対に転がされ、押さえつけられて呑み込まんばかりの性急さで花芯とふぐりを口に含まれてしまった。
少し怖い顔をしたヘデデトと目が合う。
ヘデデトの爪が細く長く伸びて、アキラの鈴口に呑み込まれていく。
恐怖に硬直したのは一瞬で、アポピスに開発されたソコはすぐに……新たな侵入者を嬉々として迎え入れた。
「ああーっ、ああァーっ……ヘデデト……ヘデデトぉ」
尿道壁を傷つけないように絶妙な按配で、爪先が壁を擦っていく。
カリカリと前立腺を刺激されて、射精したいのに出来ないアキラは空逝きしながらのたうち回る。
「アキラ……善い? 気持ち善い?
……ああ、可愛い……」
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
254 / 1203