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第3章 8
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そう、にっこりと言ってのけた美貌の男前は、まさかの桜庭、桜庭だと言う。
ーー桜庭大河…。
本家、桜庭家の跡取り息子にして、アルファの中でも特に秀でている人物。その美貌もさる事ながら、頭脳も明晰、ビジュアル抜群、文句なしの完璧人間。
そんな完璧な男が、今、まさに、自分にプロポーズしたのかと思うと、知恵熱でも出て、今にも倒れてしまいそうになる。
色々と整理が追いつかない綾人だったが、一応の説明が終わった大河が、結婚の報告を大河の両親にもしたいと言うので、
まだ、現実味がない夢のような気分の綾人だったが、大河が乗って来た高級車の後部座席へとエスコートされるがままに、乗り込んだのだっだ。
因みに、大河と一緒に来た使用人風の人は、桜庭家お抱えの専属運転手さんらしい。
ーー静かに発進する車の振動を感じながら、隣にピッタリと身を寄せる大河の胸に体を預けて、再び向かう桜庭家に着くのを、不安に思いつつも待っていたーー。
◇
数時間ぶりに戻ってきた桜庭家は、あいも変わらず立派な佇まいであった。
車が玄関近くで止まると、運転手がドアを開けてくれるのを待ち、大河が先におりて綾人の手をひき自然とエスコートしてくれる。
慣れない状況に、むず痒さを感じ照れてしまう綾人は、そんな事はしなくていいよ。と、大河に申し出てみたが、
「ーー俺がしたいんだ」
にっこり優しい笑顔で、バッサリいい切られた。
本人がしたいと言うのなら、無理に止める事も出来ず。多少の気恥ずかしさはあるが、綾人は大河の好きにさせようと思った。
ーーそれに、大切にされているのが分かり、やはり嬉しかった。
綾人と大河が連れ立って、大広間のような部屋へと脚を踏み入れると、
事前に話が通っていたのか、
大河の両親と思われる男女と、もう人組の男女が既に椅子に鎮座していた。
見た目は皆、二十歳前後くらいなので、どちらが大河の両親か、
など分かりはしないのだが、
おそらく上座に座っている男女の方がそうなのでは無いかと見当をつける。
どうやら、綾人の推測は当たっていたようで、大河は、綾人の腰を片手でそっと抱き寄せながら、上座にいる両親の方へと近づいていった。
「父さん、母さん。紹介するよ。俺が選んだ人である、天野綾人さんだ。この人を愛してるんだ。俺は、綾人と結婚するよ。」
そう、笑顔で宣言したーーーー。
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