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13 (過去 日向太)にしおりをはさみました!
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13 (過去 日向太)
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《日向太》
______
「瀬上 凛!」
「………。」
「瀬上 凛ってばっ!!」
_______ あ、これ…夢、だ。
小学一年の頃の夢だ…。
ちっさい俺とちっさい凛がいる。
放課後、凛が広告の裏に、絵、描いてる。
珍しく2人きりになった時の事。
凛は、絵描くのに夢中になっちまうと、周りのことも状況も見えなくなっちまう。
そんな凛を、振り向かせよーと俺が必死になってる。
ははっ、懐かし。
「瀬上 凛!こっち向けよっ!もう!」
俺が凛の顔を、強引に向かせる。
「……?」
「水沢日向太!!
いー加減に覚えろよ!」
「……覚えてる。
…どうかしたの?」
「おまえ、今日休んでたんじゃなかった?」
「うん。」
「昨日も一昨日も休んでたんだよな?それがどーして河原にいるんだよ?」
聞くと、奴は俺の事、感情のこもらない目で見て、また描き始めた。
ムカッとした。
その頃の俺は、スポーツ出来て、勉強もそこそこ出来て、みんなの人気者…なんてゆーか天狗になってたんだ。
ま、六年になった頃には、……勉強は…あんまり言わんでおこう…。
だから、目障りだった。
こいつのことが。
勉強もダメ、運動もダメ、あんまり学校に来なくて、たまに来たら絵ばっか描いてるこいつが。
…俺が勉強で100点取って、周りがいいなって言ってても、跳び箱で軽々6段跳べて、みんなが称賛の目で見ても、こいつが覚めた目をして、我関せずでいる事が、我慢ならなかった。
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