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18歳以上ですか?
16にしおりをはさみました!
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16
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いつも着ている物より、レースの付いた少しだけ派手なシャツを着る。ズボンもいつもの黒っぽい色ではなく白色の物を、上着も赤いのではなくズボンと同じ白の上着を着た。
ーーうーん…、赤はようやく見慣れてきて、似合うかなぁと思うようになったけど、白ってどうよ?
鏡の前に立ち、横を向いたり後ろを向いたりして自分の姿を見ていると、「終わりましたか?」と部屋の外から声がする。
「あっ、終わったよ。どうぞっ」
「失礼します」
俺の返事の後に、シアンとリオが入って来た。
二人は俺の前に来て、黙って俺を見つめた。
「え…あれ?なんか変かな…?」
不安になって聞く俺に、二人が揃って微笑む。
「いえ、とてもよくお似合いですよ」
「白を着ると、カナデの黒髪がよく映えてすごく綺麗だよ!」
「そう…なの?」
変だと言われるのはショックだけど、あまり褒められるのも恥ずかしい。
シアンが、照れて挙動不審な俺の傍に来ると、襟を直したり裾を引っ張ったりして整えてくれる。
そしてキラキラとする装飾の金色のリボンを、首に結んでくれた。
「な、なんか…派手じゃない?」
「今日は主役なのですから、派手にして良いのですよ。私としては、もっと派手にしても良いと思うのですが…」
「えっ!充分だよっ。だって、シャツはフリフリしてるし、上着もズボンも光沢があってテカテカしてるし…。俺の顔、地味なのにさ…」
急に静かになった二人を不思議に思って、俺は、俯いていた顔を上げて「どうしたの?」と聞く。
二人とも、目を見開いて、大きな溜息をついた。
「なに…?」
「カナデは目がおかしいのかな?カナデは、綺麗だよ。その黒髪はもちろん、白い肌も整った顔も華奢な身体も。実際、いろんな国の王や王子に求愛されただろ?」
「は?求愛なんてされてないっ。皆、俺の髪が珍しくて欲しがっただけだろ?」
「…アルファム様も大変だな。しっかり自覚してもらわないと、また問題が起きるよね、これ…」
リオが、シアンに同意を求めるように言う。
ーー自覚ってなんだよ。自分が平凡な奴だってことは、よくわかってるよ。
「ふふ、きっとカナデ様は、アルファム様にだけ綺麗だと思われていたら満足なんですよ」
シアンにそう言われて、俺は深く頷いた。
ーーそうだ。俺が綺麗かどうかなんて、関係ない。アルファムが俺を愛してくれたら、それでいい。アルファムが可愛いと思ってくれたら、それだけで満足なんだ。
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