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ペタリと尻をついて座ると、肩まで水に浸かる。慣れてきたとはいえ、まだ少し水が冷たい。でもその冷たさが、俺の全てを清らかにしてくれるように感じる。
「カナデ、頭も沈めて水に濡らしてね。濡れたらすぐに出ていいから」
リオに言われて、俺は、泉の中で仰向けになった。目を閉じて、全身を泉に沈める。
コポコポと水音だけが響く空間の中で、薄らと目を開ける。透き通る水の向こう側で、綺麗な青色が揺れていた。
しばらくぼんやりと空を眺めていたけど、息が苦しくなってきて、ゆっくりと起き上がり水から顔を出した。
「ちょっと浸かるだけで良かったのに…。大丈夫?」
「…大丈夫。水の中が気持ち良かったから」
「そう?じゃあ出てきてそこに立って」
俺は、立ち上がると泉から出て、リオが指さした場所に立った。
どうするんだろう…とリオを見てると、リオが両掌をこちらに向けて、何やら集中している。
すると、リオの掌から赤い炎が出てきて、俺の身体の周りを包んだ。
とても暖かく心地良い空気に包まれてうっとりとしている間に、ビショビショに濡れていた服が、綺麗に乾いた。
「えっ、すごい!やっぱりリオはすごいね!」
「え、そう?ありがとう。でもこれくらいは、アルファム様はもちろんのこと、シアン様や位の高い家来なら誰でも出来るよ。カナデにも、また教えてあげるよ」
「ほんと?ありがとうっ。この魔法覚えたら、雨の日も困らないね!」
「あ~、確かに。ま、落ち着いたら練習しよう。じゃあ部屋に戻るよ」
リオに促されて、再び城の中に入る。
さっき通って来た廊下が複雑で、方向音痴でさっぱりよくわからない俺は、行きと同じようにリオの後について廊下を進んだ。
部屋に戻ると、シアンしかいなかった。
「あれ?アルは?」
俺がキョロキョロと部屋を見回して言うと、シアンが微笑みながら「こちらへ」と俺を呼ぶ。
「アルファム様は、隣の部屋でお待ちです。カナデ様の準備が整ってから、お会いすると仰ってます」
「そうなの?別にそんなのいいのに…」
「ふふ…、本人は否定してらっしゃいますが、緊張されてるのですよ。今日は、特別な日なのですから」
「あ…、そっ、そうだね…っ。俺、楽しみな気持ちが大きくて浮かれてたけど、なんか、だんだんと緊張してきた…」
「その緊張も楽しめばよろしいのですよ。では、着替えの間、俺達は外に出ています。ある程度終わりましたら呼んでください。仕上げを致しますので」
「うん、わかった」
俺が頷くと、シアンは笑って、リオを連れて部屋の外に出て行った。
俺は、小さく深呼吸をすると、ワンピースのような服を脱いで、ベッドの上に並べて置いてある服を順番に着始めた。
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