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12にしおりをはさみました!
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12
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二日後には熱が下がって元気になった。
お腹の痛みもマシにはなったけど、何だか違和感が残っている。
それをアルファムに話すと、「カナの腹の中に上手く袋が作られてるからじゃないか?」と嬉しそうに言うから、俺もつられて嬉しくなった。
そもそも袋が出来ないと、子供を作ることが出来ない。
袋を作れない場合もあると聞いていたから、ちゃんと作られているとしたら嬉しい。
「そっかあ…。早く出来てアルのを受け入れたい…」
俺は、お腹を撫でながらぽつりと呟く。
その隣で、アルファムが大きな溜息を吐いた。
「どうしたの?俺、変なこと言った?」
「…言った。カナ、あと五日の我慢だ。五日後には、たっぷりの子種を注いでやる。覚悟しておけよ?」
「え?なんで今そんな話…を…」
アルファムの緑色の目を見つめて、俺は顔を熱くする。
俺っ、さっき、なんて言ったっ?
アルのを…欲しいって…!
なんて恥ずかしいことを口走ったんだと、顔を覆ってますます下を向く。
そんな俺をアルファムが抱き上げて、椅子からベッドへと運んだ。
「アル?俺…眠くないよ?」
「いいから休んでろ。この後、俺は少し部屋を出る。どうしても謁見しなければならない用事があってな。すぐに戻るが、ゆっくりと本でも読んでいてくれ」
「わかった。のんびりしてる。行ってらっしゃい、アル」
「行ってくる」
アルファムが唇にキスをして出て行く。
バタンと扉が閉まり白く光るのを見て、俺はベッドに寝そべる。
寝ながら本を読んでいたけど、眠くなかったはずなのに急激に眠気に襲われて、本を開いたまま眠ってしまった。
ベッドが沈む気配がして目を覚ました。
俺の顔に伸びてきた手を掴んで微笑む。
「悪い…、起こしたか?」
「…大丈夫。どれくらい寝てた?」
「そんなには時間が経ってないぞ?ちょうど昼だ。食べられるか?」
「うん、食べる。アルの用事、早かったんだね」
「まあな…」
俺がベッドから降りようとすると、アルファムに抱き上げられてしまう。
こんなに至れり尽くせりされていたら、そのうち俺は太ってしまう気がする。
椅子の傍で降ろされると、俺は困った顔でアルファムを見上げた。
「あのさ、自分のことは自分でするから。このままじゃ太ってしまう。どうしてもしんどい時はお願いするから、過保護はやめて欲しいんだ」
「ふむ…」
アルファムは、腕を組んで考え込んでいたけど、仕方ないという風に笑って、俺の頭を撫でた。
「わかった。カナの自由にさせる。その代わり、充分に気をつけてくれよ?太ったカナも見てみたい気がするが…」
「えっ?やだよっ」
アルファムをはじめ、シアンやリオは、整った顔に筋肉のついた綺麗な身体をしている。
そんな中に、ぽよぽよの俺がいる姿なんて、想像するだけでも居たたまれない。
もう元気になったし、昼食の後にはたくさん歩こうと決めた。
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