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51にしおりをはさみました!
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51
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ローラントと話しをしたこと、薬を飲んだことで、少し気分が楽になった。
なので、朝食がまだだと言うローラントと一緒に遅めの朝食を食べる。
俺は、ローラントの半分ほどしか食べられなかったけど、ここ数日の中では食べた方だと思う。
朝食が終わると、今度は眠くなってきた。
これは、薬を飲んだせいでもある。
「眠い時は、いつでも充分に寝てください」と医師に言われていたので、ローラントに「ごめん…寝る」と断って、ベッドに横になった。
ローラントは、「また後で来るね」と部屋を出て行った。
俺は、出て行くローラントに手を振ると、すぐに目を閉じて眠った。
微かな物音に気づいて、目を覚ました。
冷やりとした手が頬に触れて、顔を上げる。
「悪い。起こしたか?」
「…ううん。少し前に起きてたよ」
「気分はどうだ?」
アルファムに聞かれて、ゆっくりと起き上がる。
目眩もしないし吐き気もない。でも…。
「ちょっとだけ、頭が痛い…」
「そうか。薬を飲むか?」
「寝る前に飲んだから、今はいい…」
「だが、辛いだろう」
「うん…。アル、頭…撫でて」
「ふっ、いいぞ」
アルファムは、ベッドに上がると、俺を膝の上に乗せて後ろから抱きしめた。
そして、ゆっくりと繰り返し頭を撫でる。
「少し汗をかいたか。後で俺が洗ってやろう」
「うん、ありがとう。アルに洗ってもらうの、好き」
「おまえはいつも寝そうになるよな」
「だって、すごく気持ちいいから。アルは器用だよね」
「昔から、傍に人を置くと、暗殺される恐れがあったからな。何でも一人でやる癖がついた」
「そっか…。俺が元気になったら、アルの髪の毛洗ってあげる」
「ああ、頼む。カナ、髪が少し伸びたな。伸びると更に美しい。このまま伸ばさないか?」
「えー?どうしよう…」
伸びた俺の髪を耳にかけながら、アルファムがそう言う。
俺は妊娠してから、寝込んだり襲われたりと何かと目まぐるしくて、髪を切る余裕が無かった。
だから今の俺の髪は、前は目が隠れるほどに、横は耳が隠れるほどに、後ろは肩につくほどに、長く伸びている。
「俺、長いの似合わないと思う。見た目が気持ち悪くない?」
「は?馬鹿なことを言うな。より一層美しさが増しているぞ」
「……」
アルファムに聞いても無駄だった。
アルファムに俺のことを聞いても、否定的なことは絶対に言わないから。
後でシアンかリオに聞いてみようと、目にかかる前髪を横に流す。
「前髪が鬱陶しいんだよね。前髪だけでも切ろうかな…」
「切らなくていい。シアンのように額を出せばいいではないか。カナは、白くて丸い額をしているからな。可愛いぞ」
「……」
ーーなんか、妊娠してから更に甘くなってない?
アルファムが、甘く微笑んで、俺の額にキスをする。
アルファムの目には、俺が五割増くらいに映ってるのかもしれないと、美しい緑色の目を見つめた。
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