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久しぶりに、一つ上の兄も会いにやって来た。
「フォルダム〜、お前やらかしたらしいな」
「アル兄様」
先に公爵となっていた兄は、ニヤニヤした顔で客間へと入ってきた。
「お前が男が、しかも8個も下の子供が好きだったなんてお兄ちゃん知らなかったな〜」
「兄様だって未亡人が好きなくせに、同類ですよ」
「俺は何も法犯してないもん」
「方は犯してなくても、人的にはアウトです」
年が近いせいかアルダム兄様とは兄弟の中でも一番仲が良かった。
兄の性癖を知っているぐらいには。
「なんだてっきり落ち込んでたのかと思ったけど、元気そうだな」
「まぁ自分から言い出したことですし落ち込んでもいられないですよ」
「………そうだなぁ。けどこれから大事になるけど、平気か?騒ぎが落ち着くまで俺のところ来るか?」
「いえ、王都に残ろうと思います。兄様の領地は少し遠いですし」
兄は王都から半日ほどかかる盆地を賜っている。
子供が居ないまま夫に先立たれた公爵夫人と再婚する形でまんまと公爵に収まったのだ。
意気揚々と宮を出て行った後姿は寒気がした。
「兄様は俺が同性愛者でも嫌じゃないんですね」
そう聞けたのは絶対違うと言ってくれるのだという信頼がこの兄あったからだ。
司教や重臣達に散々道から外れた事をしていると言われ、疲れていた。
「いつからだったんだ?」
「さぁ、シアン様と会う前は普通に女性と結婚するものだと思ってましたけど」
「シアン様ね…そんな子供にお前は変えられちまったのか」
「兄様」
「俺は正直よく分からんよ。久しぶりに会った弟が男と結婚したいだなんて。なぁ俺はお前を傷つけてたか?」
「いいえ」
俺への態度が変わらなかったのは、皇太子と兄様の二人だけだ。
「お前は俺にどうして欲しい?」
「いつもの兄様でいてください。それが安心します」
「そうか。これからどうするつもりなんだ?」
「とりあえずは父の怒りが収まるのを待ちます。そうすれば時期に議会も動き始めるでしょうし、同時にこの国で禁じられている同性婚の法改正には時間が掛かりますからそれをまず解決していこうと思います」
「そうか」
「時期に皇太子殿下から、皇帝の勅使がこちらに来るらしいです」
「勅使が来たらもう戻れなくなるぞ」
「元々そういう約束を気がつかないまま俺がしてしまったんですよ、皇帝と」
「お前、外交官顔負けな事するな」
「そうですね。もうしたくないですね」
皇帝の意図が分からないままあの時は頷いてしまった。
それによって言質を取られるとは思ってもいなかった。
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