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18歳以上ですか?
15にしおりをはさみました!
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15
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「……怖い?」
訊かれて、俺は首を横にふった。ヒヤさんは溜め息をついた。
「嘘つくなら、もうしない」
「やだ、する……っ」
咄嗟にしがみついた。だって離れてしまう気がした。そしたら、二度と触れてくれない。
目を開けた途端に涙がこぼれて、慌ててそっぽをむく。あーもー、なんだよこれ。鬱陶しい。
ヒヤさんは頭を撫でてくれた。
「…………怖いなら、ちゃんと怖いって言って。じゃないと手加減出来ない」
「……………………しなくていいもん……」
「ばか。嘘つかれてまで、したくないよ。……だいたい、君なんでそんな我慢しちゃうの」
だって、したいから。愛したい。愛されたい。ずっと願ってきた。
希望通りの条件で希望通りの人に愛される。何の問題もない。俺の感情だけがイビツだ。間に合ってない。
本当は、キスなんて慣れてない。
ドキドキしっぱなしだ。
黙ったままの俺に、ヒヤさんはもう一度溜め息をついて、やっぱりやめようかと言った。
「うう、やだ……」
「だって嘘つくし」
「っ……………………ごめんなさい……」
「素直で宜しい」
ずっと頭を撫でてくれる。口調も優しい。
でもきっと、呆れられてる。
溜め息がその証拠だ。
「っ…………ごめん、なさい。怖い……けど、したいんだもん……。なんでこんな、…………怖いのか、自分でも、わかんない……。ごめんなさい……嫌わないで……」
必死で言葉を紡ぐ。
そしたら。
予想外の反応で返ってきた。
「…………っ、ふ、ごめん」
え。
笑われた。
……………は?
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