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第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
円卓会議14
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「幼少の王では自国の民の管理もできぬか」
「自国の民だからこそ、ひとりひとりを大切にしたいのです。彼は既に、今回の事件に巻き込まれて帝国に捕まり、拷問を受けていました。そんな彼に、これ以上心労をかけるような真似はできません。それに、伝承にある特徴とは少々異なる点も確認されておりますし、肝心の彼はエインストラという単語すら知らない様子でした。こういった状況下では、彼に問いただしたところで事態の進展は見込めないでしょう。私たちは、彼をエインストラであると断定できるほどエインストラについて詳しくはないのですから」
「なるほど、一理あるな。では、そのエインストラ候補の身柄は我が国で預かることにしよう。早急に我が国に連れてくるよう手配せよ」
その言葉に、金の王がその表情を更に険しくし、睨むようにして銀の王を見た。
「お言葉ですが、丁重にお断り申し上げます」
銀の国にあの少年を連れて行ったが最後、軟禁状態で一歩も外には出して貰えないだろう。王として、そんなことは容認できない。
「お主にその権利があると?」
「若輩ながら、私も一国の王です。同じ王として、自国の民を他国に引き渡せという要請をお断りする権利があるかと存じます」
一歩も引かぬといった態度の金の王に、銀の王は片眉を上げた。
「それでは、お主がお主の国ごと守ってみせると申すか、ギルディスティアフォンガルド王よ」
「無論です。私はギルディスティアフォンガルド王国の王だ。私が民である彼を守らず、誰が守ると言うのでしょう」
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