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国王の招待11にしおりをはさみました!
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第1章 かなしい蝶と煌炎の獅子 〜不幸体質少年が史上最高の王に守られる話〜
国王の招待11
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「……また滅茶苦茶言うな、あの王様は……」
レクシリアの疲れたような声に、グレイが肩を竦めてみせる。
「今更ですね。しかし、まさかオレまで駆り出されるとは思いませんでしたよ。オレはアナタ個人に仕えているのであって、宮廷勤めな訳じゃないんですけどねェ」
「そこは俺の手伝いをしていると思って勘弁してくれ……」
まあ良いですけど、と言ったグレイが、つかつかと少年の前に行く。思わず少し身構えてしまった少年の目の前で、グレイはポケットから巻き尺を取り出した。
「それじゃあ測るが、触られたくないところがあったら言えよ。こっちはおおまかな寸法さえ判れば良いんだ。手首だとか首回りだとかは、自分で巻いてくれても良い。そのときは数値だけ見せてくれ」
「あ、はい……」
言われるがままに身体の寸法を測られながら、少年はやはり混乱していた。その間にも、グレイが手際よく巻き尺の目盛を見ては数字をメモしていく。
「よし、こんなもんか。……しかしお前も災難だな。うちの国王陛下に気に入られるなんて」
「災難なもんか。寧ろこの上なく幸せなことじゃねぇか」
「はいはい。ロステアール大好き信者は黙っててくださいね。オレは今まともな感性を持った者同士の会話を楽しもうとしているんです」
犬を追い払うように手を振ったグレイを見た少年は、やっぱりこの国の上下関係はなんだかおかしい気がする、と思った。
「この国の人間は全員漏れなく国王陛下を崇め奉っててな。お前はその偉大なる国王陛下の想い人ってことで、大歓迎されてる訳だ」
「え……ええっと……」
想い人も何も、少年はあの告白の真偽のほどを未だに見定められずにいるのだが。
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