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純真メランコリー 79にしおりをはさみました!
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純真メランコリー 79
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「僕の知っている"幹颯斗"は……なんでも一生懸命で、真っ直ぐで、友達思いで、困ってる人が居たら絶対に助ける…」
「………」
突然自分のことに触れられて、颯斗は返答に困る。
「……颯斗は、僕のために”僕の想い"をみんなに話した」
「……うん…」
それについては、偽りはない。
「颯斗は"大切な人"のためなら、自分がどんなに損な役回りになっても行動するよね」
「…………」
いちいち損得を考えたりはしないけど、とにかく助けたいから行動はする。
その通りだけれど……。
綾世が何を言いのか、解らない。
「僕は……颯斗にとって"大切な人"ってことでいいのだろうか…?」
「は……?」
―――って、普通面と向かってそんなこと確認しないだろっ?!
面食らう颯斗に対して、綾世は至って真面目だ。
でも、他人との関わりを極力避けてきた綾世にとって、相手の気持ちを察するということは難しいのかもしれない。
普通よりはコミニュケーション能力が高いであろう颯斗でさえ、難しいと思うのだから……。
……でもなぁ…はっきり物を言うにしたって……もうちょっとこう、オブラートに包むと言うか……颯斗の方がすっごい恥ずかしくなって、返答に困ってしまう。
どう返そうかと必死に考える。
黙り込んだ颯斗の態度をどう捉えたのか……綾世が小さく呟いた。
「………違った…?」
あぁ…!
綾世の奴、勝手に完結しようとしてる!!
もぅ、どうこう考えてる暇はない。
綾世がストレートに訊いてくるのなら、同じように返そう!
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