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あくまで、かもしれないって話にしおりをはさみました!
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あくまで、かもしれないって話
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俺らがつるみ始めてから
随分時間が経った頃
さすがに
校内には俺らの噂が広がっていた。
山根が勝負に負けた
その時に弱みを握られて今は下僕
実は遠い親戚だった
俺と山根が恋人だという声も上がっている
実際、最初の方
脅しかけられてたのは俺だっつーの
噂はほんとに独り歩きしやがるから
一々構ってるのも馬鹿馬鹿しくて
俺はほっといてるし気にもしてない
だけど、俺以外に
気にするやつが2人。
そのうちの一人がこいつ
「ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙……高校生活終わった……マジで無理、マジでだるいマジで最悪何もう……」
「うるせぇなぁ……ちったぁだまれそして落ち着け」
「これが黙ってられるか!」
ビラっと勢いよく1枚の紙が目の前に
突き出される。
「校内1ヤンキー赤城、山根を嫁に…?なんだよこれww」
「わっらっいっごとじゃっ、ねぇぇぇえええ!なんで俺がテメーなんかの嫁なんだよ!同性だぞ!?頭おかしいだろ!!!」
きゃんきゃんきゃんきゃん。
よくもまぁこんなに吠えていられるものだ
つい1時間前もこいつを抱いたばかりだと言うのに
喉が潰れる手前まで
抱いてるはずなんだけどなぁ……
最早こいつの声帯は頑丈に出来すぎているのかもしれない。
そうでもなければおかしい
とまぁ、そんな事はどうだっていい
そして噂を気にしている残りの一人
それが
「おいっ!!聞いているのか貴様!!」
「なんだようるせぇなぁ」
「うる…⁉お前なぁ……!!」
「人の近くでピーピー喚くんじゃあねぇよ」
「は!?……なんかお前今日機嫌悪くね?」
「ちっ」
麻生千尋(あそう ちひろ)
通称ちーちゃん
昔からの連れで、やたらとお節介を焼いてくる
基本鈍感なくせに変な所やたらと
察しがいい自慢の連れ
何をするにも一緒で
悪いコトをするのもこいつとだった
でも高校は別々になっちまって
そこからはお互い何となく連絡もしなくなっていった
なのに突然現れたかと思えば
この状況……一体なんだって言うんだ
あとこいつ何を知ってるんだ
見られた……?
いや、見られてたら
色々やべーんだけど
学校違うしその可能性は低い……
じゃあなんでこんなに不機嫌なんだ?
あいつとの関係を何か知ってて
自分のツレが落ちぶれてイライラしてるのか
もっと違う何か……
「おい」
「いやでもそれだとしたら……」
「おい赤城」
「くっっそ〜〜!
一体何が原因なんだよ!!!」
「……慎一」
「ぉわっ、んだよびびった」
「びびった、じゃねぇよちゃんと話しくらい聞け」
さっきよりキツめの目をして
こっちを睨みつけるちーちゃん
(なんなんだよ……)
お前のせいで悩んでるっつーのに
よく分かんねぇやつ……
「で?お前が今悩んでることとそっちの高校で広まりまくってる謎の噂は関係してるわけ?」
(やっぱ知ってたか……)
まぁ、こいつに限って
知らねぇっつーほうが気味わりーよな
「あー……実はさ」
***************************
俺は今までにあった事ほとんどを
ちーちゃんに愚痴……じゃなく
話を聞いてもらった
もちろん
ケツ犯されたなんて死んでも言えねぇけど
「なるほどなぁ」
一通り聞いたあと
変に納得したように頷くちーちゃん
何に納得したのか分かんねぇ……
そんなに顔に出てたんかな俺
だとしたらヤベェな
「その相手の奴さ、お前のこと好きなんじゃね?」
「は?いやいやいやないないない!!それだけはマッジでねぇから!」
「そうか?」
「あったらやべぇだろ!男同士だぞ!?ホモかよ!」
「お前も案外満更でもなかったりしてな」
「ん?」
「いや、何でもねぇ
とにかくそいつのいいなりが嫌ならきちんと話つけるべきだな」
「それができたら苦労しねぇよ…………」
「まぁ、あくまでかもしれないって話だ。どう取るかはお前次第だし、ここからの動きも正直お前次第」
(俺次第……)
そう言われてもいまいちピンと来ないし
さっきちーちゃんが何か言ってたのも気になる
なんなんだこのモヤッとした感じ
なんか
きもちわりぃなぁこれ
でも
久々にちーちゃんと
話してたらなんか
自然とスッキリした。
後々この日をすげー後悔することになるなんて
今の俺は能天気で気づきもしなかった
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