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2.にしおりをはさみました!
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2.
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ーー翼が退院し、学校に復帰したのはつい昨日のことだった。
悠が目を覚まさないのに対し、翼の回復スピードは異常なまでに早く、傷跡はまだ残るものの体力は事故に遭う前の姿に相違ない程にまで回復していた。
身体の不調が消えると同時に徐々にいつもの調子を取り戻していった翼だったが、前以上に悠への執着心を見せるようになっていた。
口を開けば悠のことばかりで、分かりやすい空元気に要と清治の心配は募るばかりだ。
「翼、今日も行くの?病院」
「当たり前でしょ?悠がいつ目覚ますかわかんないんだから」
「…その課題はどうするの?」
「大丈夫大丈夫、多分終わるって」
ヘラヘラと笑う翼に、一体どこか大丈夫なのだろうと要は眉間に皺を寄せる。
次いで仕方ない、と溜息をつきながら要は椅子を立って、鞄の中に手に持っていた本を仕舞った。
「あれ、要どこ行くの?」
「病院。このままじゃ、不安で課題に支障が出るかもしれないから、僕が先に行って悠の様子見てくるよ。翼は課題に一区切りが済んだら来ればいい、それでいいでしょ」
翼はえー、と不満そうに顔を顰めたがすぐに笑みを浮かべた。
「分かった。後で合流するから、それまでハーくんのことよろしくね、要」
「了解」
そう返答して軽く手を振りながら要は図書館を後にした。
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