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《那月》
「…月……那月?もう朝だぞ?」
ハッと目が覚めた。
慌てて涙を拭った。
熱が出ると、決まって泣きながら起きてしまう。
……心配そうな守谷さんの顔がある??
あ、起きた、と思ったらまだ夢の中なんだ!
そっかそっか。
ふふっ、夢は思い出せないけど最後に守谷さんが出て来たからきっと、めでたしめでたしで終わるんだ!
それにしても、リアルな夢だなぁ?
「大丈夫か?
明け方、酷く魘されてたぞ?
熱は……ん、これなら微熱だな。」
額にあたる守谷さんの手が、気持ちいい。
え…?!
まさかの現実??
そうだ!!
思い出した!!
切れ切れにしか覚えて無いけど、守谷さんの所に泊めてもらったんだ!!
「すみません、守谷さん!!」
「あ?」
急に起き上がったものだから、クラクラする。
「おまえな……いっつもそれだな?」
くくっと笑う。
「いつも……って?」
「公園で目覚めた時。
さぁ寝た、寝た。
俺が勝手に連れて来たんだ。
なんも悪い事ないぞ?」
うぅ……それでも申し訳ないよ……
守谷さんは出て行って、それからお盆に乗せたものを持って来た?
「取り敢えず水分取れ。
その後、食べられそうだったらおかゆ食べろ?」
「え」
おかゆって、食べた事ないけど病気の時に食べる奴だよね?
そんな事思ってる間に、そっと起こされてポカリを渡された。
「あの」
「飲め。」
睨まれて大人しく飲んだ。
「よしよし。
おかゆ、食べられそうか?」
「そんな!そんな事してもらう訳には」
「食べられるか、無理かどっちだ?」
また睨まれる。
お腹がぐー…と鳴った。
昨日の朝食食べたきり……うぅ……。
「……食べられます……。」
「じゃあ食え。」
睨まれてるのを気にしながらも、スプーンを持った。
蓋を守谷さんが開けると、フワッ…と湯気。
あ……あったかい…
おかゆってあったかいんだ。
それにドロドロして黄色い?
普段スーパーで見るレトルトは、白いおかゆだし?
パクと食べたら、卵の味がした。
……おいしい。
おいしくって……泣きそうになるのを、慌てて俯いて誤魔化した。
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