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8.にしおりをはさみました!
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8.
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久弥に指定された店に入ると、個室に通された。
緊張して入ると、既に久弥が座っていた。
まずは注文した品が届くのを待ち、軽くジョッキを合わせ、一口ビールを口にする。
早速久弥が口を開く。
「樹さん…、聞きたい事が…あるんです」
「…ああ。…何?」
不安を隠しきれず、顔が歪む。
久弥が深呼吸をし、続けた。
「どうして、浮気なんか……?
そもそも、あれは浮気?
それとも…本気だった?」
「違う!!」
久弥の“本気?”の問いを、全力で否定する。
「ごめん!本当にごめん。
あんな事しておいて信じて貰えなくても仕方ないけど、好きなのはずっと久弥だけ。
なのに、傷付けて、悪かった!」
深く深く頭を下げると久弥が少し慌てる。
「すみません…、責めてるわけじゃ…なくて…。
理由が…知りたくて…。
こんな事聞かれても…、話し辛いだろうとは思うんですけど…。
これを聞かないと、多分、オレは先に進めないから…」
言い訳はしないと思っていたが、それが余計に久弥を苦しめていたようだ。
辛そうな久弥の顔に、心は後悔の念に埋め尽くされる。
それでも、きちんと話さなければ…。
ゆっくりと口を開いた。
「…怖く…なったんだよ…」
「怖く…?」
久弥の問いにゆっくりと思いを伝えた。
久弥の友人が結婚し、子供が出来たと聞くたびに…、怖くなったこと。
俺さえいなければ…、久弥は普通の幸せを手に入れられるのに、俺がいるせいで、久弥は家庭を持つことが出来ないのが、怖かったこと。
久弥と付き合い始めた頃は、その分俺が幸せにしてやるって思ってたのに、いざ久弥から結婚とかの話を聞いたら、責任が重すぎて……逃げたこと。
元からゲイの子達との付き合いは、後腐れ無い関係で、何も考えなくて良かったから…正直楽だったこと。
久弥に見付かった時も、このまま久弥が男に懲りて、ノンケに戻ってくれたらって思ったこと。
なのに、今も男に惚れてると聞いて、我慢出来なくなったこと…。
静かに話を聞いてくれていた久弥が、顔をしかめる。
「ゲイの子…“達”…??」
「ゔっ…ごめ…ん…」
「何人くらいと、シたんですか…?」
久弥に睨まれ、正直に答える。
「…久弥が見たのが…3人目…です。
ごめんなさい!」
ガバッと土下座する。
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