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酷い暴言も吐かれた。うぐぐ。いや、でも今のは俺が悪い。
「……………………ごめん」
「なにが? いいよ、カップそこ置いといて」
「あーい」
「……………………」
「……………………」
「……………………」
「…………………………………あ、そういやーさ。浅原ってどんな奴が好み?」
「なにいきなり」
「や、なんか昨日、人の趣味散々ケチつけられたから」
「お前」
「なにが」
「いや、好みが」
ああ、うんざりだ。
「っ……………………………………もー! 俺わりと真剣にお前と話してんだけどー?!」
溜め息をつく。ふざけんなよ。こっちはけっこうちゃんと考えてるってのに。わざわざ気まずくなんないようにしてんのに。はぐらかさないで、向き合ってんのに。
好きなタイプどんな? って訊かれて、お前だよって返すジョーク。つまんねぇ。ウケねぇ。それってスルーするときにやるやつじゃん。俺とは話したくないってか。くそ、腹が立つ。
一人で暗い顔しやがって。ポーカーフェイスのつもりか知んねえけど、バレバレだっつの。ばーか。
くそ、帰ってやる。
リビングに戻って鞄を取る。スマホ……は、上着に入れっぱなしか。スマホ中毒の俺が、昨夜から触ってなかったってこと。珍しい。
「俺だってマジなことしか言ってねえよ」
背中にぶつけられた言葉はそのまま俺の身体を貫く。
「……………」
そりゃ、そうだよな。浅原だってバカじゃないし。てか、頭いいんだった、こいつ。あんだけ言っといて何も考えてない、とか、ないよな。遊んでるだけ、……ってことも……たぶん、ないだろう。
「……………」
「………………」
「なんか言えよ」
追い討ちをかけられて焦る。
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