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6
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今、話しておかなきゃいけないことって、なんだろう。伝えたいこと。最低限、聞いておかなきゃいけないこと。
考えれば考えるほど焦って、結局くだらないことを口にしてしまう。
「………………あのさあ、俺のなにがいいの」
また嘲笑された。
「なにそれ」
「や、………だって男だったら誰でもいいわけじゃないだろ」
「そりゃな」
「……………」
「………………………そんなん聞いてどうすんだ」
「だから、わかりたいんだって」
「だからわかってどうすんだよ」
溜め息混じりに浅原は言って、俺を見た。
それは友達に向けるような視線ではなくて、なんか、こう、…………少し怖くて。
「全部わかったら、なに。付き合ってくれんの」
詰め寄られても逃げ場はない。また触られたら。
怖いと思ってしまう。相手に。
自分に。
殴りそう蹴りそう。駄目だよ、それは。鈍ってるけど、自分の威力がどんなもんかはわかってるだろ。やめろ。
「や、…………………それは、」
ない。男に、そういう感情は持てない。
「だろ。違うだろ。………俺、お前の暇潰しじゃねえんだけど。散々聞いといて結局はキモいとか意味不明って思うの、勝手すぎね?」
「そんなん、」
「そういう身勝手さに今まで散々振り回されてんだけど。言葉だけでいいこと言うなよ。実際なんにも出来ないんだろ? なんでまだそれで関わりたいわけ?」
「………………………」
思わない。そう答えなかったのは俺のミスだ。だって現時点で、よくわかってないし。この先、話を重ねても、俺にはやっぱりゲイの感覚とか気持ちはわからないかもしれない。
今、友達として手を伸ばすことさえ怖い。
「そんな奴になんで俺がべらべら喋んなきゃいけねーんだよ。バカか。…………」
「……………」
「別にいいよ。お前じゃなくても。………他に相手なんかいくらだっているし」
瞬間的にその横面をはたいた。
っえ?
なんで?
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