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混乱にしおりをはさみました!
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混乱
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「今日はここに泊まってね。前の入院の時みたいになったら凛月くんも大変だろうから」
「ああ。そうさせてもらう」
「服とか持ってきてないよね?明日にでも取りに行ってあげようか?」
「いや、自分で取りに行くよ」
「...あ。ナースコール押して。凛月くんが起きたみたい」
凛月に視線を移すと、黙って天井を見つめて目をパチパチさせていた。
急いでナースコールを押すと、機械から声がした。
「どうされましたー?」
「凛月の目が覚めました!」
「わかりました!先生を呼んですぐに行きますね!」
奏斗は凛月の様子を見ていた。
2分もしないくらいで医師と看護師が来た。
「ちょっと失礼しますよ。」
医師はそう言って凛月を診察する。
「聞こえますか?お名前言えますか?」
「...し、どう、けい、さん...」
「ごめんね、自分のお名前教えられますか?」
「ぼく、りつ、りつ...ほん、とに...りつ...っ」
「疑ってる訳じゃないですよー。フルネームで言えますか?」
「りつっ!知らないっ、りつなの...ビリビリ...やぁっ...しらなっ、わかっ、な...」
凛月の様子がおかしい。
「凛月くん、大丈夫ですよ。わからないことはわからないって言っていいんです」
「ひっ、ひぁ、こわ、いゃ...いたいっいたいっ!」
「凛月くん?どこが痛みますか?」
「うぅぅ...す、けてっ、たすけてっ...ひぃ、」
「落ち着いてください。ちょっと触りますよ」
そう言って凛月の腹部に触れた瞬間
「うあああああああああっっ!!!」
凛月が大声で叫んだ。
「大丈夫だよー。怖くないからねー」
看護師も何とか落ち着かせようと声を掛けていたが、凛月は身体をこわばらせてガタガタと震えている。
「うーん...慧、落ち着かせられる?」
「やってみる」
「すみません。お願いします」
「凛月、凛月、聞こえるか?」
ベッドに近付いて、凛月の手にそっと触れる。
「っは、っはぁ、ぁ...こわ、ぃた、っひ、」
「凛月?もう大丈夫だぞ、怖くない」
手の甲から手のひらに手をスライドさせると、凛月が弱い力で俺の手を握った。
「ぁぁ、んぅぅ...し、」
「握ると落ち着くか?大丈夫だからな」
「いたい、ぃたいの...ビリビリ、しな、で...」
「ビリビリ?なんだ?」
「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめ、なさ...ぅぁ??」
謝る凛月が見ていられなくて、凛月を抱きしめた。
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