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認識
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凛月が小さく声を出した。
寝言かと思ったがどうやら違うかったらしく、そのうち身体をもぞもぞさせて泣き出してしまった。
「凛月、どっか痛いのか?落ち着け。」
「ゃ、、にげたっい、、、かえりたい、、、」
「治ったら帰れるからな」
痛いと泣いている訳ではないから、身体が痛いということでは無さそうだ。
恐怖で泣いているのだろうか。
頭を撫でようと凛月の頭に触れると、凛月の身体がビクッと跳ねた。
「やだ、やだ、、やめて、、」
どれだけ怖い目にあったのだろう。
足を必死に動かして逃げようとしているのがわかる。
「凛月、大丈夫だ。目を開けてみろ。神童さんだぞ」
頭を撫でながら言うと、少しして凛月の目が開く。
「...神童さん...?ほんとに、神童さん...?」
「見たらわかるだろ、神童さんだ。身体はどうだ?痛いところは?」
「大丈夫なの。痛くないの」
たくさん怪我もしているんだから、痛くないなんてことはありえないと思うが、幾分かマシになっているなら良かった。
「そうか、良かった。」
「神童さん、ここ、どこ、、?」
「ここは病院だ。俺と奏斗でお前を連れてきた」
「なんで、」
「なんでって、凛月の様子がおかしかったから。路地裏で倒れてるの見つけて連れ帰って...大変だったんだぞ。酷い怪我と高熱で魘されてて、痙攣まで起こして...」
「めい、わく、、ごめんなさい」
「謝らないでいい。全然迷惑じゃなかった。帰って来てくれてありがとう」
「ありがとう...?」
「ああ。ありがとう。凛月が死ぬんじゃないかって不安で仕方なかった...」
「死んだら、いや...?」
自己肯定感が低い凛月は、こんな当たり前のことを聞いてくる。
これで死んだ方が嬉しいだなんて言った日には、こいつは自分で死ぬことだって厭わないんだろう。
絶対にそんなこと言わないけど。
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