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火早野side
入学してすぐ、同じクラスの水本 玲生に目を惹かれた。
ものすごくイケメンなわけではないし、
ものすごくカワイイわけでもない。
ただ、窓の外を眺めて大きなあくびをした水本から
目が離せなかった。
日に照らされて、栗色に輝く髪は
驚くほどにボサボサで
多分、整えたら丸みのあるボブカットなのだろう。
前髪が少しだけかかった目は
髪の色と同じ栗色で少しタレ目。
肌は日に焼けないのか、
他の男子に比べて白く、
唇の赤が、なんだか妖艶に見えた。
やばい、これは、何か、同性とか気にならないくらい、
こいつがほしい。
なんて初日でジロジロ見てしまったせいで、ほぼ毎日避けられてしまった。
以降、会話はほとんどせず、1年が経った。
1年間、水本を目で追い続け、いろいろな情報を得るたびに、どんどん好きになっていく。
2年になって確実に増えた
水本への告白に
俺は焦っていた。
一度だけ告白を受け入れた以外、
全て断っている水本が
いつか、誰かの彼氏になると思うと心臓が痛い。
あの日、水本が学年一の美女に告白されたと聞いて
心臓はさらに悲鳴をあげた。
嫌だ、そうハッキリと思う。
誰かのものになる前に、
俺が奪いたい。
同性だとかそんなのどうでも良かった。
確かに周りにバレてしまえば大変な事になると思う。
それでも、好きだ。好きになってしまった。
ボサボサな水本も
女の子に優しい水本も
友達との会話で笑う水本も
全部、見ているうちに好きになった。
だから、今度は
無防備な所もその笑顔も俺だけにしてほしい。
女の子に優しくしても、付き合ってほしくない。
振られるのは分かってる。
それでも、好きだって伝えたい。
「体育館裏、先行ってろ。」
俺に弁当を預けて女の子のもとに行く水本。
少し寂しく感じたけれど、
ちゃんと戻ってくるって言われているみたいで、
体温が上がる。
一緒にご飯を食べるようになってから
たくさん話すようになった。
それがとても嬉しくて
やっぱり好きだなって思う。
水本はいつか振り向いてくれるだろうか。
可能性は低いけれど、
君が振り向いてくれるまで
何度でも
俺は好きだって伝えるよ。
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