アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
ウラトにしおりをはさみました!
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
- しおりがはさまれています
-
ウラト
-
「今までもさ、男から告白されることはあったけど、今回みたいにキスでそれを明白にするやつはいなかったよ」
琴畑 帳は二重人格だ。
今はそれが表に出てきている状態。
小学校の頃、酷いいじめに遭ったせいでこの人格が現れた。自己防衛のために。しかしこの人格が出ると、オーラや一人称まで変わる。加えて性格も変わるので、絢斗も下手に声をかけることが出来ない。
「なぁ、ウラト」
「なに?」
「俺思うんだけどさ、姫崎は純粋に好きだったんじゃねぇの?ウラトの事」
「はぁ?ねぇわ。てか俺には無理だな、あんな奴。コイツだって多分無理だぜ」
「そっか…」
裏の帳、略してウラト。絢斗はこの帳が出てきた時、彼をそう呼ぶ。自分の親友と同じ呼び方はしたくないから。
最初の頃は、ウラトもそう呼ぶことを拒んでいたが、絢斗が呼び続けたことで折れ、ウラトという呼び名を了承した。
「それにしてもほんとよくモテるよな、コイツ」
「あぁ。男にだけだけどな」
「まあな」
ククッと肩を揺らしながら笑うウラトを見て、本当に帳では無いことを実感する。帳はこんな笑い方はしない。
「なぁ、絢斗」
「ん?」
「俺はやっぱコイツから離れることは出来ねぇよ」
「っ…あぁ…」
「コイツの傷が癒えない限りな。もし傷が癒えたら、俺は用無しだ」
わかってるよ、そんなこと。
そう思いながら、絢斗はコクンと小さく頷いた。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
6 / 33