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18歳以上ですか?
会いたいにしおりをはさみました!
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会いたい
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「あんた元殺し屋じゃないっスかぁ!!」
その小野の叫び声は帳達のいる部屋まで聞こえ、帳は驚きで声のした方を向き、目を見開いた。
「……はぁ…」
「あっ、あああ、あの…い、いいまの…」
「すまん、ちょっと行ってくる…」
「えっ、あ、は…はい……」
そう言って遥は部屋を出て声のした方へ歩いて行った。
取り残された帳はその場に寝転んだ。
「僕これからどうなるんだろ…ヤのつく人になるの?………いやいやいや、ないない。取り敢えず早く治して絢斗と母さん、父さんに会いたいな…」
そう言って、帳は目を閉じた。
しばらくして目を開けると、そこには絢斗が自分を覗き込んでいた。
(えっ!?なんで!?なんで絢斗がここに!!)
しかし自身は話せなければ、絢斗もこちらを見ているだけで話さない。そして、しばらく見つめ合い、だんだん正気に戻ってくる。
そして気付いた。ここは夢の中だ。周りの景色がそれを物語っていた。
(草原……どこの草原だろ…?)
「…………どっ……い……よ」
(えっ!?)
そこで夢は終わった。
最後に小さな絢斗の声で聞こえたあれは…
『はやくもどってこいよ』
「あやと……」
右手で目を覆うように、帳は涙を拭った。
「頑張ろう、早く絢斗に会うためにっ…」
そう意気込んで、帳は庭に向き直った。
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