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俊凌 ※凌くんが病弱設定です (シリアスバージョン)にしおりをはさみました!
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俊凌 ※凌くんが病弱設定です (シリアスバージョン)
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凌side
俊が俺の部屋に来た時から、どれくらい経っただろうか。
俊が来た時は、まだ明るかった窓の外は、すっかり黒く染まり、淡い月明かりがカーテンの隙間から差し込んでいる。
今日は満月か─────
そういえば、月なんて久しぶりに見たな。
最近は、外の世界なんて気にも留めていなかった。
死んだらどうせ、腐るほど見れる─────そう思って、興味をなくしていた。
そういや昔1度だけ、夜に俊と家を抜け出して、公園に月を見に行ったっけ───
確かその時も、今日みたいに、まん丸でキレイな満月だったなぁ────
そんな時、部屋のドアがノックされた。
コンコン………ガチャ
「にぃちゃん、起きてる…?」
『俊?なんだ、寝れないのか?w』
「ちげーよ、子供扱いすんなwもう俺、大人だよ?何年生きてきてると思ってんの!」
『はいはいwそうだったな、ごめんごめん』
俊は、ほっぺを膨らませて怒ったふりをしていた。
コイツの小さい時からのクセ、ほんとに変わんないな。
コイツは昔からそうだ。俺にからかわれると、ほっぺをぷくっと膨らませて、怒ったフリをする。でも、本当は怒ってなくて、俺に構ってもらえるのが嬉しいみたいで、顔はニヤけてたんだ。
俺は、俊のそんな可愛いところが大好きで、ずっと俺だけのものにしたかった。俺だけを見て欲しかった。
でも、もうすぐ死んでしまう今、それはもう叶わない───
やめよう。俺は何を考えているんだ。
そんなこと考えたって、辛くなるだけ。いいことなんて何も無い。
忘れるんだ。
「にぃちゃん」
俊が、俺を呼んでいる。
『ん?』
俺は、なんで、この時、返事をしてしまったんだろう───────
本当はわかっていたんだ。
俊が気づかないわけないって。
20数年、ずっと俺と一緒にいたんだ。
その俊が、俺の異変に気づかないわけが無いんだって。
そして、ここで俺が返事をしてしまったことで
これから起こる未来さえ変えてしまうかもしれないことも────────────
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